わりとよくあるイレギュラーなネギま!
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聖誕
12話 買い物とネギちゃんの変化
ぱしぱし、ぱしぱし。
なんだ?
「ダンナ、オジョウ。オキテクダセェー」
「うーん。誰だよ、朝っぱらから……」
オレは抱きついているネギをどけて、にょろりと身体を起こした。
ソコには白いイタチがいたのだ。
「うん……なんだっけおまえ? ああ、確か猫の妖精を目の敵にしている、アルミール・カモベールだったな」
「俺っちはアルベール・カモミールでい! いつになったらちゃんと名前を覚えるんだよ!」
「冗談だ、カモ。久しぶりだな。おまえはいつもテンションが高くて面白いな~」
「ダンナ! これはどういうことなんでい!」
カモのヤツなにを興奮しているんだ?
こいつはカモミール。昔、罠にかかっているのを助けてやった時から、オレとネギのダチだ。おこじょ妖精の漢と言い張る変態野郎。
だが、ガチで有能。おこじょのくせにパソコンを使えるのだ。
「カモ、おまえがきてくれてうれしいよ」
「ダ、ダンナ……じゃねえ! なんだこの状況は! 女の園に男がひとり! うらやま、おほん! けしからん!」
「おい、声でけーよ。ネギたちが起きるだろ」
「むしろ、オジョウを早く起こせよ! それに俺っちをそこのプリティーな女の子たちにも紹介しろ!」
「……分かっているよな? もし、昔みたいにネギに変態行為をはたらいたら――」
「……じょ、冗談っすよ。冗談。俺っちは紳士なんでい。オジョウの秘密だってちゃんと守っているっすよ」
「じゃあ、まずその『オジョウ』はオレとネギだけの時にしろよ。そっちのアホヅラは、魔法のことを知っているんだ」
「ええ!? あ、だ、ダンナ……起きちゃってますよ」
「はあ? 誰が?」
途端にオレの第六感が危険を教えてくれた。
オレは首をひょいっと動かして、ソレを避ける。
「避けんなバカ!」
「おー、アスナ。おはよー」
「おはよー……じゃない! あんたさっきのアホヅラって私のことでしょ!」
「なんだ、自覚があったのか」
「――殺す」
オレはアスナの猛攻を片手ですべて弾いていく。
「今のおまえじゃむりだって。さて、ネギ~。朝だぞ~。起きろ」
「う~ん……ヨシュア、おはよーのちゅーをして~」
刺さる冷徹なる空気の氷柱。
「ダンナのロリコン」
「あんた……最低ね」
「あのな……ネギはオレにちょっとだけ甘えているだけだ。考えてみろよ。両親は行方不明。おまけにまだ10歳だぞ?」
「ダ、ダンナ。ソレ違う。大変なことになるっすよ。俺っちのセンサーが危険信号だしてますぜ」
「あんたさ……実は気づいてんでしょ? ネギはあんたのことを――」
「――言うな! ……ソレをオレが知っているとネギが理解すれば、ネギはきっと性別を隠さなくなる。アスナ、カモ。今はダメだ」
「ダンナ……でもっすよ、オジョウがかわいそうですぜ」
「……そこのイタチ。もう、やめときなさいよ。こいつはバカだけど考えなしじゃないから。ソレにライバルは――」
うん、ライバル? アスナのヤツなに言ってんだ?
で、その後、カモのことをネギのペットだとクラスのやつらに紹介。
表面的にはカモはカワイイからすぐに人気ものになった。
少し時が経ち、修学旅行の話がちらほらと出てきた。
オレはネギの両親の別荘が京都にあるらしい的なことを告げる。
ネギの喜びようは微笑ましい。
その後、学園長が親書をネギに託す。この辺りは漫画と一緒だった。
そして修学旅行の前の休日。
オレ、ネギ、このか、長谷川は、麻帆良の外に買い物に来ていた。
「まずは携帯で、そのあとでネギたちの用事だ」
その時。
「やーお兄さん。スタイルとかいいですね。外国人ですか?」
なんだこいつ?
「率直に聞きますよ。どちらかの女の子と付き合ってるんですか?」
「……なれなれしいぞ。付き合ってはいないが、この子たちはオレの大切な人だ。それが答えでいいか? わかったらうせろ、学ラン野郎」
「し、辛辣。ちょっと、ヨ――」
『わぁ――』
何故かクロギャルに連れ去られる学ラン野郎。
まあいいか。オレたちは買い物を続ける。
長谷川にささっと、携帯電話を選んでもらう。
「さて、昼飯でも食べるか。3人ともおごってやるぞ」
「ボク、ラーメンがいい!」
ネギはラーメンを食べたいようだ。
「おまえらもラーメンでいいか?」
「ウチはかまへんよ」
「まあ、ガキのワガママぐらいどうってことねー」
「……ありがとな」
オレは2人の頭をそっと撫でる。
「あ、あかんて!」
「おまえ、そーゆーとこだぞ!」
「は?」
何故か顔を赤面させる2人。
その後、長谷川が調べた情報の元、うまいと評判のラーメン屋に。
オレたちは4人用テーブルに座り、おすすめの醤油ラーメンを食べる。
「う、うめぇ」
「あ、ホントだ! ジャパニーズソウルフード!」
興奮気味のネギとオレ。しかし、ラーメンはジャパニーズソウルフードなのか?
そのあとも、オレたちの買い物は続く。
買い物をすませたオレたちは、なんか大きな建物近くの階段で談笑を行う。
「ちうはさ。ネット関係詳しいじゃん?」
「ちうっていうなこのチャラゾウが!」
「オレとおまえの仲だろ?」
「どんな仲だ! この脅迫野郎が!」
「あははは。メンゴメンゴ」
オレが長谷川をからかっているとき。
「ヨシュアさん。ネギくん、うとうとしてるで」
「このか、ありがとな。ネギ、こっちにこい」
ネギはよろよろとオレにしなだれかかる。
オレはそっとネギの体勢を変えて、抱きかかえる。
「こいつ、寝ていると女の子みてーだな」
「まあ、ネギは抽象的だからな」
「……ヨシュアさん。そろそろ限界と違うん?」
「なんでだよ、このか?」
「ネギちゃんな。この前、ウチに相談にきたんよ。お腹痛いって」
「うん? 下痢?」
「おい、ちょっと待て。話に付いていけない。なんだよ、じゃあネギ先生って実は――」
なんかこのかと長谷川が深刻そうにしている。
その時。
「ヨシュア・キリストリアル! あなたまたネギ先生に不埒なことを! 限度がありますわよ!」
あやかにアスナ?
「なにをしているんですかあなたは! まったくもう!」
プッチンしているあやかと、何故か複雑そうな顔のアスナ。
「あ~、いいんちょ。そんなにヨシュアさんを怒らんといてあげて……実はな、ネギくん。ホントは女の子なんや」
「……え?」
「ちょっ、このか!」
「もうむりなんよ。ネギちゃんはこれから本格的に、女の子に成長していくんやから」
ど、どういうこと?
なんでこのタイミングであやかに明かすの!
「このか、秘密にしてくれって言っただろ!」
「だまりゃ! この唐変木!」
このかは、あやかとアスナ。後、何故かいた、柿崎、釘宮、椎名にこそこそと何かを告げている。
みんなの顔が鬼神のごとく変化する。
『このクソロリコン!』
オレはみんなから張り手をくらってしまった。
だが、ネギが起きないように身体の揺れは最小限。
その後も、鬼神たちの怒りはおさまらずにオレは怒られ続けて、結局、ネギも起きてしまった。
「あ、アスナさんだ。あの……これ」
「……え?」
「アスナ。明日が誕生日だろ。オレのはあっちのほうのアクセサリーだ。今日の夜、使い方を教える」
これで万事解決!
「ヨシュアさん。後でお話があります、ネギ先生のお身体のことで」
「あやか、なんでこめかみピクピクしているの?」
「この……ドクズ!」
「ガッパ――ッ!?」
オレの知らないところでなにかがおきている?
いったい何事なんだよー!
後書き
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