わりとよくあるイレギュラーなネギま!
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聖誕
7話 ヨシュアVS麻帆良の魔法使い
オレはタカミッチーの後ろに隠れながら、世界樹前広場に向かう。
おー、予想のとおり雰囲気悪いな。
「さて、ヨシュア・キリストリアルくん。釈明をお願いできるかな?」
「あーガンバルカン先生でしたっけ? オレはなーんもしてないっす」
と、タカミッチーシールドを使いながら、色黒の先生に言い訳を始める。
「そもそもですね。オレは普通の魔法は使えないって知ってるっすよね?」
「……君は、まずはそのふざけた態度をなおしたほうがいい」
「ご助言あしゃーす」
「いい加減にしたまえ!」
お、怒った怒った。これで、怒りの矛先はエヴァンジェリンからオレに移行することだろう。なんで登校地獄の呪いが軽減されたか知らないが、エヴァンジェリンのような異物がいたんじゃ、排除したくなるのが、人間の本質だ。
異端、異物、嫌い……だもんな。立派な魔法使いを目指す人たちは、特にソレが強いだろう。まあ、エヴァンジェリンが、人を沢山殺した過去は本当だからな。
だが、ネギの師はエヴァンジェリンしかいない。彼女をここで舞台から退場させるわけにはいかんのだ。
「タカミッチー。説得してくれよ~。オレの変な体質のことは知っているだろ」
「あ~。みなさん、実はヨシュアくんはですね――」
瞬間、オレは色黒の先生の前に高速で移動して、眼鏡を奪う。
「ガンドルフィーニ先生。オレがその気だったら、目、潰れてましたよ」
『な!?』
オレはタカミッチーの後ろで、気をじっくりと練っていたのだ。
「オレの前情報や雰囲気で、油断をしましたね」
魔法先生と魔法生徒は臨戦態勢に。
直後、刀を持った美人の女性、葛葉刀子先生がオレの後ろに回り込んで首に斬撃を行ってきた。
オレは、魔法を使えないが気は使えるし、様々な道具や第六感がある。
第六感は簡単に説明すると直感のようなものが発動する。
ゆえに、オレは死角からの攻撃を、紙一重で次々と躱していく。
葛葉先生は、しだいに太刀筋が雑になっていった。
オレは、隙の大きい大ぶりの一太刀を、気で強化した腕でそらして、心臓に向けて蹴りを行った。
動揺する、魔法先生と、魔法生徒。
今しかチャンスはない。
オレは『ÄRM』の『オクトパス』を発動させる。『オクトパス』は先端が槍状になった、タコの足に似た8本の鞭。しかも再生能力つきだ。
オレは、魔法を発動しようとしている、魔法先生たちの首筋に『オクトパス』を突きつけた。
「そこまでじゃ」
『が、学園長!』
「学園長、あんた、オレの実力を測るために、この戦いを仕組んだだろ?」
「お見通しか……いや、完敗じゃよ。ヨシュアくん」
「これで、オレの実力はだいたい分かっただろ。エヴァンジェリンが暴挙に出れば、オレが止める」
静まりかえる、面々。
「流石に納得しないか?」
「いや、完敗だよ。ヨシュアくん。ネギくんがそばに置くだけのことはある」
頭が固いと思っていた、ガンドルフィーニ先生は冷静だった。
だが――。
「私は納得していませんよ! 先ほどは、少し冷静さを失っていましたが、今やれば必ず勝てます。学園長、許可をください。どのみち本気の私に勝てないようでは、闇の福音を止められません」
「葛葉先生はバトルジャンキーだな。いいだろう、オレも剣でお相手しましょう。ただし、オレが勝てば、エヴァンジェリンには不干渉の約束を」
「万に一つもソレはない! 京都神鳴流に剣技で勝つことなど不可能です」
オレは水をバッグから取り出すと『魔道具』の『閻水』にかける。
「我が剣技の名は、氷紋剣。いざ、いざ!」
ホントは、剣技じゃなくて忍術だけどな。
葛葉先生の刀を、我ながら見事に捌いていく。
「この、この!」
オレはステップで距離をとり、必殺技を放つ。
「甘い、水成る蛇」
水の蛇が葛葉先生の眼前に。
「き、きゃあー!」
オレは直前で水成る蛇を水蒸気に変える。
その後、葛葉先生の鳩尾に柄で、攻撃。葛葉先生は、膝を付き、動けないようだ。
「解せない。それ程の力がありながら、なぜ、無能の振りをするのですか?」
「オレには守るべき人たちがいる。世間の評価なんて邪魔なだけだ。学園長、エヴァンジェリンの呪いの軽減は、悪気があったわけじゃない。許してくれると助かります。ただ、彼女にも幸せになる権利があるはずだ」
魔法先生と魔法生徒は、ガヤガヤと話し合っている。
その時――。
「私は、彼を信じます」
「シスターシャークティ……なぜじゃ」
「うまくは説明は出来ません。ただ、私には彼が……いや、何でもないです」
よし、うまくいったぞ。
「タカミッチー、奥の手を使わなくてもよかったよ」
「いや、君のは僕の咸卦法とは別物だからね」
「え? アレ、咸卦法じゃないの?」
「絶対に違う。アレはなんていうのかな……そう、聖化法ってところじゃないかな」
さよけ。まあ、名称とかどうでもいいか。
あ、そろそろ9時だ。ネギたちには夜のさんぽだって言ってきたから、そろそろ帰らないと。
「では、皆様。オレはこれにて」
アスナたちの部屋に帰る。
ドアを開けると、ネギが、アスナとこのかと興奮した様子で話していた。
「ヨシュア、口は悪いんですけど、ホントはすっごく優しいんですよ~。ボクが溺れたときも助けてくれたし、ある事件があった時も、命がけでボクを救ってくれたんです」
「え~、それホント?」
「ネギちゃん、今日の様子からは想像できひんよ」
おい、ネギをちゃん付けで呼ぶなよ。
「このか、ネギの事情は複雑だ。学校では、ちゃんと先生と呼べよ」
「あ、ヨシュア。お帰り~」
「出たよ、変態」
「もう少し、真面目ならよかったのに」
「うるせーよ。さて、アスナ。細工の練習をするんだろ? 道具は貸してやる」
「あ、そうだった。でも、私って思えば大雑把だし、うまく出来るのかな?」
「出来るか、出来ないかは関係ない」
「……え?」
「やるんだよ」
「あ、う、うん。後、顔が近い……私は高畑先生が好きなはずなのに――」
「何か言ったか?」
「な、何でもないわよ!」
アスナ、頬が少し赤いぞ。どして?
まあ、オレはこれからも最善を行うのみ。
後書き
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