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ゲーマーも大変

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第一章

                ゲーマーも大変
 赤松光太郎はゲーム好きである、それで恋人のOL中井奏にもこう言っていた。
「俺ゲーマーになるぞ」
「サラリーマン辞めるの?」
「いや、仕事は続けながらだよ」
 奏に笑って返した、細面で明るく愛嬌のある顔立ちで赤がかった髪の毛はあちこちはねている。背は一七三程で痩せた身体である。
「それでな」
「ゲーマーになるのね」
「やっぱり仕事は続けないとな」
 穏やかな顔立ちで薄茶色の髪の毛をボブにしている奏に話した、背は一六二程でバランスのいいスタイルである。
「だからな」
「お仕事は辞めないのね」
「だから安心してくれよ」
「それ聞いてほっとしたわ」
 恋人としてだ、奏も答えた。
「じゃあ働きながら」
「ゲーマーになるな」
「頑張ってね」
 奏は恋人の決意にエールを送った、そうして。
 光太郎は仕事から帰ると毎日ゲームに励む様になった、これまでもそうだったがこれまで以上にそうした。
 だが、だった。
「あれっ、あの大会に出ないの」
「ああ、俺の好きなゲームじゃないからな」
 光太郎は前に話していた大会について奏に答えた。
「だからな」
「出ないの」
「そうするな」
「その前もそう言ってなかった?」
 奏は光太郎に突っ込みを入れた。
「その前の大会もなの」
「俺の得意なジャンルじゃなかったからな」
「格闘ゲームだったでしょ」
「プロレスは駄目なんだよ」 
 そちらの格闘ゲームはというのだ。 
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