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ハッピークローバー

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第二十二話 身体が丈夫ならその九

「長いペナントこうした日もある」
「そういうことで」
「そう、それでね」
「今日は仕方ないとして」
「阪神があってね」
 応援しているチームがというのだ。
「それで毎年優勝している」
「それだけでいいのね」
「幸せでしょ」 
 それでというのだ。
「本当にね」
「好きなチームがあれば」
「それでね」 
 まさにというのだ。
「いいでしょ」
「ううん、幸せって身近でささやかなものなのね」
「そう思うわ、最近ね」
「そんなものなの」
「流石に最下位にはなって欲しくないけれどね」
 理虹はこうも言った。
「せめてね」
「暗黒時代ね」
「好きなチームがあって最下位じゃない」
「それだけで幸せね」
「そうでしょ、好きな選手も怪我とかしないで」
 今度は選手の話をした。
「ずっと活躍してくれたらね」
「そのことでも幸せに思うわね」
「阪神って昔はスター選手の放出多かったからね」
「ああ、そうね」
 実加もそれはと頷いた。小山、江夏、田淵等と多かった。そうしてその都度スキャンダルとなったのだ。
「退団の時にね」
「揉めてたでしょ、そういうのもないでしょ」
「最近はね」
「大抵の人が奇麗に引退してるから」
「そのこともいいわね」
「昔の阪神なんてね」
 それこそというのだ。
「スター選手の結末もね」
「碌なものじゃなくて」
「大騒ぎしてのトレードか」
「後味の悪い引退ね」
「それか退団でね」
 バース等が有名である、退団については。
「色々あったけれど」
「そういうこともなくて」
「奇麗な引退なら」 
 それならというのだ。
「いいでしょ」
「引退は寂しいけれどね」
「そうね、けれどやっぱり誰でもね」
「引退するわね」
「人間歳取るから」
 理虹はこのことも実加に話した。
「だからどうしてもね」
「衰えていって」
「そして若手の人も出て」
「世代交代ってやつね」
「それはもう避けられないから」
 人間の組織であるならばだ、これは阪神だけでなくどのスポーツチームそして組織なら何処でもである。
「だからね」
「それでよね」
「どんな選手でもやがてはね」
「引退するわね」
「兄貴さんもだったでしょ」
 金本知憲である、広島から移籍して長きに渡ってチームを引っ張ってきた偉大な野球選手として知られている。 
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