| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新ヘタリア学園

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第千九百六十四話  五万もいた

第千九百六十四話  五万もいた
 黒田さんは日本にお話しました。
「薩摩藩は武士が五万もおったとよ」
「百万石の加賀藩が二万二千程でしたね」
「七十七万石位でそうだったでござる」
 百万石と言われ実際は百二十万石近くあった加賀藩よりも石高は何十万石も低いのにだったのです。
「しかも実は四十万石もなかったでごわす」
「あくまで七十七万石とされただけで」
「そうでごわした」
「それで武士が五万ですか」
「それで俸禄も少なくてでごわす」
「黒田さんも貧乏でしたか」
「幕府も赤貧でごわしたが」
 二百六十四年の歴史の中で百五十年位財政赤字に悩んでいました。
「薩摩藩はもっとかもでごわした」
「四十万石もないのに五万ですからね」
「いやあ、生きるだけでも一苦労でごわした」
「笑ってお話されていますが洒落になっていないですね」
「参勤交代にもお金がかかったでごわした」
 しかも幕府から普請も言われました。
「兎角お金がなかったでごわした」
「薩摩藩も黒田さんも」
 そうした中で生きてきたのです、黒田さんは本当に大変な前半生を生きて来たのです。


第千九百六十四話   完


                  2022・5・20
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧