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兎達の好物

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第一章

               兎達の好物
 この幼稚園には何匹も兎がいます、彼等は飼育小屋でいつも仲良く幸せに暮らしています。そしてです。
 飼育係の子供達がいつも兎にご飯をあげていますが。
「人参美味しいね」
「そうだよね」
「兎用のフードもいいね」
「本当にそうだね」
 兎達はいつもご飯を沢山食べてその中で何が美味しいかお話をしています、子供達はそんな兎達を見て目を細めさせています。
 そしてある日です、先生が子供達にちょっと茶色い粉の様な少しぱさぱさとした感じのものを出しました。
「何これ」
「見たことがないわ」
「これ何なのかな」
「わからないわ」
「これはおからっていうのよ」
 先生は飼育係の子供達に笑顔でお話しました。
「お豆腐からできるものなの」
「へえ、そうなんだ」
「これおからっていうのね」
「お豆腐からできるんだ」
「そうしたものなのね」
「お豆腐の搾りかすなの」
 それがおからだというのです
「人間も食べられるけれど兎も食べられるのよ」
「だから兎さん達にあげるんだ」
「そうするのね」
「これまでの人参や兎のフードと一緒に」
「おからもあげるのね」
「そうよ、日によってはこれを出すわ」 
 幼稚園の先生は笑顔で言いました、そうしてです。
 実際に兎のご飯におからも出される様になりました、するとです。 
 若い兎達は自分達に出されたおからを見て赤い目を丸くさせました。
「これ何かな」
「見たことがないわね」
「そうだよね」
「お野菜でもフードでもないし」
「何なのかな」
「わからないわ」 
 若い兎達は首を傾げさせてです。 
 子兎達はこう言いました。
「食べていいのかな」
「飼育係の人達が出したから食べられるんじゃないの?」
「けれど食べられるのかな」
「わからないね」
「そうよね」
「ああ、それはおからだよ」
 お爺さん兎の善太が皆に言いました、ここで一番長生きの兎です。
「食べられるよ」
「これおからっていうんですね」
「そうなんですね」
「それで食べられるんですか」
「毒は入っていないんですね」
「毒は入っていなくて」
 それでというのです。
「美味しいよ」
「そうですか」
「じゃあ食べていいんですね」
「このおからも」
「そうですね」
「そうだよ、だから今から食べよう」
 こう言ってでした。 
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