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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその八

「実用化出来るか、実用化してもです」
「戦力になるかとな」
「そうでしたね」
「そうだったな、しかしな」
「それはですね」
「どの最新兵器も同じだった」
 モンサルヴァートはローズに答えた。
「空母にしてもそうだったし航空機もな」
「左様でしたね」
「戦車もな」
 この陸上兵器もというのだ。
「そう言われていた」
「そして実用化されて」
「非常に強力なものになった」
「それが兵器の歴史ですね」
「馬もそうだった」
 モンサルヴァートはこの話もした。
「チャリオットを生み出すことも騎兵もな」
「どちらもですね」
「その都度だ」
「生み出し導入し」
「実用化が疑問視されていた」
「それもまた歴史でしたね」
「騎兵は強力な兵種だった」 
 戦争の歴史の中で長年そうであった。
「その突撃が戦局を決する」
「そうした時も多かったですね」
「しかし実用化とだ」
「軍への編入まで」
「色々あった」
 騎馬民族からはじまったが多くの農耕民族の国歌はチャリオットに乗っていた。その為機動力と運動性能に遅れ敗れてきたのだ。
 しかしだ、それでもだったのだ。
「騎兵の育成は困難だったからな」
「特に馬具が未熟な古代は」
「鐙も手綱もなかった」
 こうした常識とも言える馬具がだ。
「もっと酷ければ鞍もな」
「ない時代がありましたね」
「ただ乗っていただけだった」
 馬の背にだ。
「だからだ」
「それで、でしたね」
「騎兵の育成は困難であったしな」
「運用もでしたね」
「困難だった」
 そうであったのだ。
「だから実用化にもな」
「色々言われていましたね」
「しかしだ」
 そうした歴史はあってもというのだ。
「各国が取り入れた」
「結局はそうなりましたね」
「飛行機も戦車もな」
「そうでしたね」
「潜水艦もな」
 実用化まで議論があった、だがそれでもだったのだ。
「真に優れた兵器はだ」
「必ず実用化されますね」
「そうだ、紆余曲折はあれどもな」
 それでもというのだ。
「必ずな、だからこの時代でもだ」
「潜水艦はですね」
「オムダーマン軍の勝因が明らかになればな」
 その時はというのだ。
「各国がだ」
「飛びつく様にして」
「実用化する筈だ」
「そしてそれはです」
 タンホイザーが右手を動かしつつモンサルヴァートに話した、そのうえで言うのだった。 
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