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ハッピークローバー

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第二十一話 梅雨が近付いてその九

「絶対に逃げないでね」
「民衆の為に声をあげていたのね」
「ええ、だからね」
「生きていてもなの」
「ギロチン送りだったでしょうね」
「あそこで死んで本当によかったのね」
「そうよ、あの革命は奇麗なものじゃないのよ」
「ギロチン送りね」
「もう裏切り裏切られの」
 そうしたというのだ。
「ヤクザ屋さんみたいな世界よ」
「そう言うと汚い世界ね」
「ええ、汚い状況だったのよ」
 母も否定しなかった。
「あの革命はね」
「裏切り裏切られで」
「ちょっとしたことで死ぬね」
「そんな時代だったのね」
「外見とかの清潔さも大事だけれど」
「内面もなのね」
「奇麗でいたらね」 
 そうであるならというのだ。
「これが一番もてるのよ」
「要は性格ね」
「そう、それが奇麗だったらね」
 それならというのだ。
「一番よ」
「もてる要素なのね」
「どんな美人でも性格が悪いとね」
「もてないのね」
「嫌われるわよ」
 もてるどころか、というのだ。
「そうなるわよ」
「逆になのね」
「そうなるわ、男の子からもそうで」
 それでというのだ。
「女の子からもね」
「お友達も出来ないのね」
「幾らアイドル顔負けでも」 
 そこまでの外見でもというのだ。
「不潔だったらもてないし」
「性格が悪いとさらになのね」
「心が汚いとね」
「もてないのね」
「嫌われるわ、嫌われたら自分も嫌だしね」
「本当に嫌われたくないわ」
 留奈は心から言った。
「それはね」
「そうでしょ、あんたも」
「やっぱりね」
 それはというのだ。
「好かれるのが一番よ」
「だったらよ」
「清潔にして何よりも」
「性格がいい様にね」
 その様にしてというのだ。
「やっていくことよ」
「それが一番なのね」
「もてるにはね」
「身体も心も奇麗に、なのね」
「そういうことよ、そうした自分も幸せになれるから」
「好かれて」
「そうよ、本当に性格が悪いと」
 一番問題だというこのことがというのだ。
「大変だからね」
「自分自身にとって」
「あんたの周りにもいたかいるでしょ」
「性格の悪い人ね」
「生きてれば絶対に会うし自分自身かも知れないわよ」
「私はどうかしら」
「あんたは別に普通でしょ」
 娘の性格をこう評した。
「ちょっといい加減だけれどね」
「それは自覚してるわ」
「けれどね」
 それでもというのだ。 
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