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麗しのヴァンパイア

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第四百四十九話

                第四百四十九話  美容院
 赤音もパーティーに行く準備をしていた、だがここで彼女は母親からこんなことを言われたのだった。
「ドレスはあるけれど」
「あるの」
「ええ、ただね」
 母は赤音を見て話した。
「あんたパーティーに参加する前に美容院行ってきなさい」
「散髪屋さんじゃなくて?」
「そう、美容院よ」
 そちらにというのだ。
「行ってきなさい」
「美容院って何か凄くない?」
「凄くないわよ、お洒落するならね」 
 それならとだ、母は娘に話した。
「髪の毛切ることもよ」
「お洒落のうちで」
「ヘアスタイルをセットしてもらったら」
 それならというのだ。
「いいからね」
「それでなの」
「そう、美容院行ってきなさい。それでね」
 赤音の母は娘にさらに話した。
「これからは美容院に行きなさい」
「今回だけじゃないの」
「そうよ、これからもね」
「美容院に行くのね」
「そうしなさい、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「お洒落するのよ。もうお洒落してもいい頃だから」
「そうなの」
「そうしなさいね」
 これからはというのだ。
「いいわね」
「ううん、これからは美容院なの」
「そうよ、本当にお洒落はね」
 これはというのだ。
「大事だから」
「女の子にとっては」
「そうよ、それぞれに合ったお洒落をする」
 このことがというのだ。
「女の子は大事なのよ」
「そうしたものなの」
「そうしたものよ、じゃあいいわね」
「ええ、お洒落するわね」
「是非そうしなさい」
 こう娘に言うのだった。
「これからは本格的にね」
「何か大人になった気分」
「何かじゃなくてそろそろあんたも大人よ」
「えっ、私小学生だけれど」
「いえ、そろそろよ」
 真剣な顔で言うのだった、母は赤音をテーブルに座らせてそのうえで自分も座って向かい合って話をはじめた。


第四百四十九話   完


                 2022・2・27 
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