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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0043話

 目を瞑っていても尚眩しい光により、意識が覚醒されていく。
 なにやら甘酸っぱいようないい匂いがする。
 匂いの元をさぐるべく手をまさぐると、何やら弾力のある物体を触る。
 かなり大きく、重量もそれなりにある。

「ん?」

 ようやく頭がはっきりしてきたので、目を開く。
 まず最初に入ってきたのは肌色。そしてその肌色の上の方にはピンク色が。

「って、レモン!?」

 自分自身が何を抱いて寝ていたのか気が付き、慌てて起き上がる。
 ベッドの上で全裸で眠っていた俺とレモン。
 既に何があったかは言うまでもないだろう。
 周囲を見回すと、少なくても俺の部屋ではない。
 何度か入れてもらった、レモンの部屋だ。

「えっと……あれ?」

 自分に何があったのかを思い出す。





 タンカーにある客室の1つで、捕らえたシーリオンのパイロット2人から事情を聞いていた。
 正直、事情を聞いて頭が痛くなってしまったのはしょうがないだろう。
 北アフリカのリビアにある中規模の連邦軍基地。そこの司令官が近くの街にいる孤児を集めて育てていた。
 それだけを聞くと立派な行動なのだが、実際は子供の頃から自分を崇めるように教育して将来的には決して裏切らない自分の私兵とするつもりだったらしい。
 教育と言うか、この場合は洗脳だな。
 その事を知った子供達のうち数人がDC残党の使っていたシーリオンを保管してあった所から盗み脱走。その後この近海の海賊に拾われて現在に至ったという訳だ。
 エクアドル基地に戻り、ヴィンデルにその事を報告。取りあえず海賊のパイロットという事で捕虜にしたが、さすがに10歳前後の子供をどうこうする訳にもいかず、ヴィンデルの伝手で施設へと送られる事になった。
 とうとうと言うか、やはりと言うべきか。明らかになってしまった、軍上層部へと広がっていた腐敗。その実態を目にしたヴィンデルの顔は悔しさと憎しみを混ぜ合わせたものだった。
 そんなヴィンデルを見つつもキョウスケの事もありフォローする余裕も無かった俺は、そのまま執務室を出て食堂へと向かう。





「何でもいいから、アルコール」

 食堂でそう頼むと、出てきたのはエクアドルで最も飲まれているビールのピルスナービールだった。
 アクセルに転生して、初めて飲むアルコールがやけ酒になるとは思いもしなかったな。
 俺の様子に何かを感じたのか、無言で食堂のアルコールを取り扱っているマスターが出してくれたものだ。
 ちなみに、マスターというのはアルコール部門の責任者である以上そう呼ばれるのが当然、という事で客に自分をマスターと呼ばせている。
 差し出されたビールを一瞬の躊躇無く飲み干し……飲み干し?


「あれ? それからどうした?」

 ビールを一気飲みした所で記憶がすっぽりと抜け落ちている。
 気がいた時にはレモンのベッドでお互いに一糸纏わぬ姿で眠っていた。

「ん? アクセル?」

 俺の気配で目が覚めたのか、まだ眠たげな目をしたレモンがこちらを見ている。

「おはよう」
「あ、ああ。おはよう」

 朝の挨拶をしてくるレモンに、何とか挨拶を返す。
 だが、やがて俺の困惑している表情に気が付いたのだろう。不思議そうな顔をして尋ねてくる。

「どうしたの?」
「いや、その、なんだ。俺とレモンは昨日寝た、んだよな?」
「ええ、そうね。……覚えてないの?」

 俺の質問に即座に頷き、次の瞬間には何か理解をしたかのようなジト目でこちらへと視線を向けてくる。

「あー、正直すまん。ビールを1杯飲んだ所で記憶が途切れてる」

 まさかアクセルの体がここまでアルコールに弱いとは思わなかった。
 アクセルに転生して20年弱。今までアルコールを飲んだ事が無かったのがここまで致命的だったとは。
 弁明をさせてもらうとするなら、俺は前世では普通にアルコールを飲む事が出来ていた。ザルという程強い訳でもなかったが、それにしたってビール1杯で記憶を失う程弱い訳でもなかったのだ。

「そこから? 全く、しょうがないわね」

 苦笑をしつつも、レモンの知ってる昨夜の俺の行動を教えてもらう。
 
 レモンが夕食を取る為に食堂に来た時、俺はビールを飲んでいたらしい。
 2年以上の付き合いになるが、俺がアルコールを飲む所を初めて見たレモンは、物珍しさも手伝いそのまま俺と一緒に飲み始めた。
 その時に俺がキョウスケに関する事や、軍上層部の腐敗についてかなり愚痴っていたらしい。そんなこんなで数時間。さすがに食堂もそろそろ閉まる時間になったのでアルコールを手当たり次第に購入して、レモンの部屋で飲み直す事に。
 そして、レモンの部屋でまたもや弱音を漏らす俺。
 曰く、腐った政治家共が気にくわない。
 曰く、腐った連邦軍上層部も気にくわない。
 曰く、インスペクターも気にくわない。
 曰く、そもそもこんな世界を作った神も気にくわない。
 曰く、転生なんて最悪だ。

 ……って、おいっ!?
 いくら酔っ払っていたとは言え、俺の最大の秘密をあっさりばらすか普通?
 冷や汗をにじませながらも、レモンの方へと視線を向ける。
 すると、面白そうな笑みを浮かべているレモンと視線がぶつかった。

「その様子だと、満更酔っ払いの戯言と言う訳でもなさそうね」

 こういう時ばかりは、レモンの頭の回転の速さが恨めしい。
 時々見掛ける、肉食獣のような眼光をその眼に宿し、俺の方へと這い寄ってくる。

「と言うか、服くらい着ろよ」

 一瞬、レモンの肢体へと見惚れつつも何とか口に出す。
 ほんの一瞬だったが、染み一つない肌の白さや、これでもかと盛り上がって自己主張をしている胸は強く記憶に残ってしまった。
 だが、レモンはそんな俺の様子を面白そうに見るだけだ。

「何で? 隠す程に醜い身体のつもりはないんだけど?」

 俺の脳裏には原作で裸にバスタオル1枚の姿でブリットをからかっていたエクセレンの姿が思い浮かんでいた。いや、原作ではなくてコミック版だったか?
 くそう、こういう所はエクセレンにそっくりだよ。

「分かった、降参だ降参。俺の知ってる事は教えるから、頼むから服を着てくれ。眼のやり所が無い」

 本来なら誤魔化す所なのだろうが、あの鋭いレモンに転生という、俺に対するヒントを与えてしまった以上どう言い逃れようとしても無駄だろう。
 それならこっちから話せる事だけ話して、シャドウミラーのこれからに協力してもらった方が余程有益だ。
 どうせ下手に誤魔化しても、こちらに対する疑心感が残るだけだろうし。
 取りあえずこのままでは俺の理性がやばいので2人とも着替えをし、改めてレモンと向き合う。

「さて、何が聞きたい?」
「そうね。まずは何を知っているのか? で行きましょうか」
「何を知っているのか、か。良い質問だな。そうだな。あえて言うなら、この先に起こる未来を限定的にだが知っている」
「限定的?」
「ああ、例えば本来の歴史ならアクセルはモントーヤ博士と親交を結ぶ事は無かったし、シャドウミラーに時流エンジンが流れてくる事も無かった」
「でも、アクセルがその歴史を変えた?」
「そうなるな。何せ死亡フラグ満載の世界を生き抜かなきゃいけないんだ。なるべく自分に有利になるように行動せざるを得ないさ」

 そこまで言った時、ふとレモンが何かを思い出すように眼を瞑る。

「ねぇ。じゃあもしかして貴男に予知能力があるというのは?」
「ああ、そんなものは無い。念動力があるのは本当だがな」
「本来の歴史でもアクセルは念動力を持っていたの?」
「いや。これは俺がアクセルとしてこの世に生を受けた後に得た力だ」
「得たって、どうやって? 特脳研のレポートにあった人工的な念動力者の実験に参加したとか?」

 レモンの言葉に首を振り、指を1度鳴らす。
 同時に俺の顔の横に空間倉庫が口を開け、そこからスライムの触手を伸ばす。

「ちょっと、これって……」

 さすがのレモンも驚いたのか、呆然とした顔をしている。

「転生の特典という奴でな」

 レモンへとスライムと空間倉庫について詳しく説明する。
 それ以外の能力については、具体的な証拠を示せる訳でもないので黙っておく事にした。
 転生したというのはこの2つがあれば十分証明できるだろう。

「なるほど。なんともまぁ、便利なものね」

 スライムを眺めながら、説明を聞いていたレモンが口を開く。

「それで、貴男が本来の歴史を知っているというのも転生特典とやらのおかげなのかしら?」
「いや、それはちょっと違うな。そうだな、何と言えばいいか。ぶっちゃけるとこの世界の事は前世で物語になっていたんだよ」
「物語?」

 さすがに不審そうな顔になるが、アギュイエウス等の開発に関わっていただけあり飲み込みが早かった。

「なるほど。つまりは平行世界のような場所でどういう理由かは知らないけど、この世界の情報を無意識に観測していた人がいた……のかもしれないわね」
「そして、その観測者が無意識にその観測結果を自分のアイディアだと思い込み、世に出した?」

 俺の言葉に頷くレモン。
 そっち関係の知識が全くない俺としては、専門家の意見だけに納得するしかない。

「それで、これから私達は……いえ、やめておきましょう。ここで何か聞いたら、それこそ未来の流れがねじ曲がるかもしれないし、なによりも先の事を知っているのは面白くないわ」
「そういうものか? まぁ、レモンがそれで納得するならそれでいいんだが」
「ええ。取りあえず未来の事はどうしようもなくなるような内容でも無い限りは言わないでちょうだい。それと、この事を知っているのは?」
「俺以外ではレモンだけだな」
「そう、ヴィンデルには言わないの?」

 正直、それを考えた事が無いとは言わない。士官学校時代に出会ってからそれなりに長い付き合いだ。だが、政府や軍上層部の腐敗ぶりを憎み始めている今のヴィンデルに教えるというのはちょっと不味い。

「そうだな。もし時期が来れば、いずれは話したいと思っている」

 頭の回転が並外れているレモンの事だ。そう答えた俺の表情を見て、大体の事情を察したのだろう。
 黙って近寄ってきて、俺を背後から抱きしめる。

「そう、なら私は何も言わないわ。でも、覚えておいてね。私は貴男を決して裏切らない」
「ああ、ありがとう」

 レモンへと礼を言い、そのまま唇を重ねた。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:16
PP:25
格闘:170
射撃:188
技量:180
防御:177
回避:205
命中:227
SP:270
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
    アタッカー
    ガンファイト LV.2
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:28 
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