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星河の覇皇

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第八十部第五章 秘密兵器その三十八

「それもです」
「またよしですか」
「はい」
「そうですか」
「梟雄でもです」
「必要に応じて梟雄になっているので」
「必要ならです」
 それならばというのだ。
「英雄、いえ偉大な政治家にもです」
「なれますか」
「ナポレオンは覇者にしかなれませんでした」
 戦い勝利を収め続けるしかなかったというのだ。
「最後は欧州を統一するしかなかったでしょうが」
「それが出来なかったので」
「結末は島に流されてでした」
 セントヘレナ島、そこにというのだ。
「そうでしたが」
「シャイターン主席は違っていて」
「私が見るにです」
 八条は自分が見ているシャイターンの姿をさらに話した。
「必要なら英雄になり」
「そして連合ではですね」
「偉大な政治家にもなる」
「そうした方ですか」
「軍人としても謀略家としても優秀ですが」
 それだけでなくというのだ。
「政治家としても優秀なので」
「政治家としての資質だけを求められるなら」
「その場合はです」
「即ち連合の中なら」
「はい」
 まさにというのだ。
「その統率力や政治力を発揮され」
「そのうえで」
「建国されても」
「その優れた資質で以て」
「偉大な建国者、そして」
「政治家としてですね」
「連合の歴史に名を残るでしょう」
 そうなるだろうというのだ。
「連合に亡命されれば」
「なら問題ないですね」
「シャイターン主席は、むしろ」
「むしろといいますと」
「アッディーン大統領ですか」
 バールが彼の名前を出した。
「あの御仁はですか」
「はい、むしろです」
「シャイターン主席よりもですか」
「連合に向いていない気がします」
「それはあの御仁の軍人の気質ですね」
「それが強く出ているので」
 だからだというのだ。
「ですから」
「軍隊がサハラより遥かに重要でない連合ですと」
「むしろアッディーン大統領がナポレオンです」
 八条はバールに自分が話した言葉をここでまた述べた。
「サハラを統一出来なければ」
「つまりサハラから出れば」
「軍人になるしかなく」
「連合に入られれば」
「私は義勇軍の指揮官に欲しいです」
 八条はアッディーンが連合に入った場合についてはこう述べた、その立場で迎え入れたいというのだ。
「階級は元帥で」
「まさに最高幹部ですね」
「はい、しかし」
「国家元首ではですね」
「ないです」
 そこは違うというのだ。
「そもそもアッディーン大統領は今に至るまで」
「積極的な野心はですね」
「見受けられません」
 サハラを統一する様なそれはというのだ。 
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