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ハッピークローバー

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第二十一話 梅雨が近付いてその三

「これが」
「男の子よりもね」
「もう更衣室なんかね」
 女子のだ。
「そして部室なんかね」
「凄い匂いするのよね」
「そうなのよね」
「そうよ、女の子の体臭は侮れないのよ」
「男の子よりも」
「お父さんあまり体臭しないでしょ」
「というか全然ね」
 留奈は母に答えた。
「お兄ちゃんもね」
「そうでしょ」
「何か白人の人がきついって言われたけれど」
 これは小学校の時にポーランド生まれの少女から言われたことだ、その少女は同級生で今は違うクラスだが同じ商業科にいる。
「そうなの」
「まあそれはお風呂に入らないとね」
「そうなるの」
「お母さんは別にね」
「白人の人でもなの」
「体臭がきついとはね」 
 その様にはというのだ。
「思わないわ、ただ女の子は」
「きついのね」
「それお兄ちゃんに言われたら嫌でしょ」
「怒るわ」 
 絶対にとだ、留奈は断言した。
「そんなの言われて怒らない筈ないでしょ」
「そうでしょ」
「これでも気をつけてるし」
「それで気をつけてるならよ」
「奇麗にすることね」
「お風呂だって入ってね」
 そうしてというのだ。
「下着もよ」
「替えることね」
「どちらも毎日ね」
 そうすべきだと言うのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「お母さんも若しあんたがそうしないとね」
「怒るのね」
「女の子の方が匂いきついし汚れやすいでしょ」
「ああ、生理ね」
「そのこともあるからよ」
「いつもそう言うのね」
「女の子は男の子以上によ」
 まさにというのだ。
「本当にね」
「奇麗にしないといけないのね」
「そう、それで奇麗にしていたら」
 それならというのだ。
「人気出るわよ」
「清潔にしていたら」
「余計にね、そこにいい匂いまでしたら」 
 きつい匂いとは真逆にというのだ。
「尚更よ」
「いいのね」
「清潔といい匂いは七難隠すのよ」
「色白じゃないの」
「色白以上によ」
 俗にいいと言われるそれ以上にというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「あんたもよ」
「清潔になのね」
「していなさい、いいわね」
「そうするわね、私もその方がいいし」
「それは何よりよ、アイドルだってね」
 この仕事に就いている少女達もというのだ。 
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