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ハッピークローバー

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第二十話 楽しく食べられるその七

「ケーキばかり食べててウィンナーコーヒーにソーセージにアイスバインにベーコン」
「やっぱりビールも飲むし」
「太らなくてもね」
「確かあの人そうした体質ね」
「それでもよ」
「痛風からは逃れられないかも」
「それで急にね」
 ある日、というのだ。
「足の親指の付け根に激痛が走って」
「苦しんでいたのね」
「絶対そうよ、これは贅沢じゃなくてね」
 痛風は俗に糖尿病と共に贅沢病と言われているがというのだ。
「今のドイツだと普通で」
「国民病で」
「そうした食生活だとね」
「痛風ね」
「なっていたわよ、まあかな恵ちゃんに聞いてみたらいいわ」
「そうしてみるわね」
 富美子もそうしてみると頷いて実際に食後予習復習前にかな恵に痛風のことを聞くと彼女もビールやドイツ風の食事それに生きものの内臓や卵はよくないと言った。
 そしてだ、その小説の話を聞くとかな恵も知っていて言った。
「私もあの常勝の天才さん危ないと思うわ」
「痛風になってたの」
「あの人ケーキ好きでしょ」
「子供の頃からね」
「それよくないから」
「やっぱりそうなのね」
「それで兎に角ドイツだとビールでしょ」
 この国の食生活ならというのだ。
「これが一番よくないから」
「もうケーキばかり食べてビールもよく飲んだら」
「かなり危ないわよ」
「そうなのね」
「美奈代さん私の飲み過ぎのこと気にかけてくれてるけれど」
 富美子からこの話も聞いていて話した。
「私飲むのは夜だけよ」
「朝からは飲まないわね」
「絶対にね、それで食欲ないから生卵入れて飲むと」
 この飲み方はというのだ。
「栄養補給にはなっても」
「痛風ね」
「私だったら止めるわ、普通科の三年でヘッセさんっておられるわね」
「あの恰好いい?」
「そう、ジークフリート=フォン=ヘッセさんね」
 彼の姓だけでなく名前も話した。
「あの人もドイツだとね」
「そうして飲んでおられるのね」
「そう言っておられるらしいわ」
「そうなのね」
「ドイツだと普通みたいよ」
 こう富美子に話した。
「やっぱりね」
「つまりあの人も下手したら」
「最近プリン体ゼロのビールもあるけれどね」
「そうしたビールドイツでもあるかしら」
「私もそこまでは知らないわ、けれどね」
「それでもなのね」
「本当に考えられないわ」
 かな恵としてはというのだ。
「朝食欲ないとお茶漬けでしょ」
「日本だとそうよね」
「それかお粥よ」
「お粥は作るのに手間かかるけれどね」
「けれどさらさらとお腹に入るんから」
「食欲なくてもお粥だといいわね」
「ええ、そうしたのでしょ」
 朝食欲がないのならというのだ。
「それかオートミールでしょ」
「あっちのお粥ね」
「昭和天皇もお好きだったそうだしね」
 この方は洋食を好まれたという、その為終戦間際の食糧危機でもパン食も好まれたそうで食事にはお困りでなかったという。 
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