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星河の覇皇

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第八十部第五章 秘密兵器その十七

「より倒すぞ」
「それではですね」
「今度はですね」
「あの艦艇には敵艦隊を攻撃させますね」
「これからは」
「そうだ、ティムール軍の撤退は迅速だ」
 見ればその動きをかなり進めている、フラームもアブーもティムール軍の他の指揮官達も有能ということだ。撤退の指揮こそ戦闘において最も迅速に行わないといけないものだが最も難しいものであるからだ。
「だからだ、攻撃を浴びせるにしてもな」
「一撃ですね」
「その一撃を放てばですね」
「あの艦艇の次の攻撃までにはですね」
「敵軍は撤退に入っていますね」
「しかもだ、攻撃を行い過ぎて」
 その艦艇がというのだ。
「もう魚雷もない」
「ですね、確かに」
「かなりの攻撃を行ってきました」
「攻撃が過ぎて」
「そのせいで」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「これでな」
「今はですね」
「あの艦艇の攻撃は今回で終わりですね」
「次の攻撃で」
「もう魚雷がないので」
「そうなる、だがだ」
 その最後の一撃でというのだ。
「打撃を与えてだ」
「そしてですね」
「敵の艦隊にはですね」
「より打撃を与える」
「そうされますね」
「そうする、ではいいな」
 こう言ってだった。
 アッディーンはその艦艇にさらに攻撃を命じた、そうしてだった。
 撤退しようとするティムール軍にさらなる攻勢を浴びせた、だがティムール軍も今は生きる為に必死であった。
 最後の力を振り絞って戦う、フラームはアブーと共に全軍の指揮を執りつつそのうえでシャイターンの言葉として告げていた。
「移動要塞及び防衛システムの将兵達はだ」
「迅速にですね」
「今以上に」
「撤退を急がせる」
「そうさせますか」
「そうだ、多少の物資はだ」
 それはというと。
「廃棄しても構わない」
「まずは人ですか」
「人がいないと戦えない」
「だからですか」
「物資は後でだ」 
 それこそというのだ。
「調達出来る、だからな」
「それで、ですね」
「今はですね」
「撤退を最優先させる」
「それが大事ですね」
「人こそが」
「そうだ、そして船はだ」
 それはというと。
「満員になるとな」
「即座に出て」
「そしてですね」
「戦場を離脱する」
「そうしますね」
「そうだ、急げ」
 今はというのだ。 
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