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ナルシストでいていい仕事

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第二章

「それがかえっていいってね」
「言ったわよ」
 未可子本人もその通りと答えた。
「しっかりとね」
「それであの子もナルシスト全開だけれど」
「だって俳優さんじゃない」
 未可子はそのすみれに答えた。
「だったらね」
「ナルシストでもいいのね」
「そうよ、見られて決めるお仕事だから」
 それ故にというのだ。
「ナルシストでもね」
「いいのね」
「むしろそうでないと」
 ナルシストでなければというのだ。
「逆にね」
「どうなってなるのね」
「私としてはね」
 こう話すのだった。
「そうよ、普通の学生さんとかが決めても」
「よくないのね」
「痛いわよ、まあああした年齢の子って中二病も患うから」
 その高校生を見て話した。
「ああしてね」
「決めることもなのね」
「あるわよ、例えダークフレイムマスターと自称しても」
 それでもというのだ。
「いいわよ」
「ああした年齢の子は」
「そうよ、まあ後で黒歴史になるけれどね」
 決めている今現在もというのだ。
「私もそんな時期あったし」
「あんたもなの」
「高校時代その時の人気の女性アイドルそっくりにしてたわ」
「それでナルシストだったの」
「そうだったからね」  
 それでというのだ。
「今そう言うわ」
「そうなのね、まあそう言ったわ私もテニス部での部活の写真の時決めてたし」
「同じよね」
「ええ、まあナルシストでも許される人もいる」
「お仕事とかでもね」
「そうした人もいるのね」
「そうよ、世の中にはね」
 未可子はすみれに笑って話した、そうしてこの日はそれぞれの家に帰った。そして次の日の仕事の休憩時間もその俳優の公式ホームページを確認したが。
 新たな画像を観てだ、うっとりとして言った。
「最高に決まり過ぎでしょ」
「もう自分恰好いい自分最高って感じね」
 すみれもその画像を観て話した。
「本当に」
「そうよね、けれどね」
「それがなのね」
「またいいのよ」
「そのナルシストっぷりが」
「かえってね、これがいいのよ」
 笑顔で言うのだった、そうして確認を終えてから食事に向かった。すみれと二人で食べる時その俳優の話をさらにした。


ナルシストでいい仕事   完


                     2022・4・24 
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