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オズのホボ王子

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第三幕その一

                第三幕  最初の快諾
 王子達はウィンキーの中の黄色い煉瓦の道を歩いていきました、その道は何処に続いているかといいますと。
「かかしさんのお家とですね」
「樵さんのお城に続いていますね」
「それでジャックのお家にも」
「この道を進むとですね」
「三人のところに行けますね」
「うん、だからまずはね」
 王子はジョージ達五人に答えました。
「この道を進んでいこうね」
「わかりました」
「この道は僕達も何度も行ってますし」
「そしてかかしさんや樵さんのところにも行ってます」
「もう馴染みの道です」
「周りの景色もよく見ています」
「それなら君達に案内を頼もうかな」
 王子は五人がこの道について詳しいと聞いて笑顔で言いました。
「そうしようかな」
「いえ、僕達よりもです」
「王子の方が沢山旅をされてますよね」
「オズの国におられて」
「そうですよね」
「それならです」
 五人はこう王子に返しました。
「王子にお願いします」
「私達が案内なんてとても」
「それは恐れ多いですよ」
「王子の方がずっとこの道を歩いておられるのに」
「そうなのに」
「そう言うんだ、じゃあ僕が案内をさせてもらうね」
 王子は笑顔で応えました。
「この道については」
「というかだよ」
 ここで教授が言ってきました。
「今回の旅の主役は誰か」
「それは王子だね」
 モジャボロも言いました。
「王子が自分が主催するパーティーに招待していく旅だからね」
「それだとだよ」
「もう王子が主役だよ」
「旅の主役ならだよ」
「道の案内もね」
 これもというのです。
「そうした栄えある役目もね」
「王子のものになるよ」
「僕達はその王子と一緒に行く」
「そうしたことになるよ」
「成程、今の僕の立場はそうしたものなんだね」
 王子は二人に言われてこのことに気付きました。
「そうなんだね」
「そう、だからだよ」
「僕達に気兼ねしなくていいよ」
「もう全部王子が思うままでいいよ」
「誰を招待するかも決めて」
「どういった道を進むかもね」
「責任重大だね」
 王子は二人の言葉からこのことも認識しました。
「それならね」
「やってくれるね」
「王子も」
「そうしてくれるね」
「是非共ね」
 二人に確かな笑顔で答えました、そうしてです。
 王子は自然と一行の一番前に立ちました、するとそのすぐ後ろからアン王女が明るい声と笑顔で言ってきました。
「その意気よ、旅の主役はね」
「いつも一番前に立ってだね」
「皆を案内してね」 
 そうしてというのです。
「それと共に皆をいつも見る」
「そうするものだね」
「私も旅の主役の時はね」
「そうしていたんだ」
「言うなら船長さんよ」 
 その立場だというのです。 
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