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ハッピークローバー

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第十八話 やり取りをはじめてその六

「何かしてくるから」
「それでなの」
「そうした人には何もしない、どうせ人を利用するだけだから」
「自分の都合次第ね」
「自分の都合でへらへらしてね」 
 そうして擦り寄ってきてというのだ。
「あと邪険にする」
「下衆ね、それって」
 理虹はここまで聞いて冷めた目で述べた。
「もうそう言うしかね」
「ないわよね」
「何を下衆かって言うと」 
 それこそというのだ。
「そうした人こそがね」
「そうよね」
「それでそんな人にさせてもらうってやったら」
「どんどんつけあがってね」
「色々してくるのね」
「そうお母さんが言ってたわ」
 かな恵はこう話した。
「感謝もしないし恩義もね」
「感じないから」
「人はあくまで利用するだけで」
「だからそうした人は相手をしないで」
「そしてね」
「させてもらうって気持ちはなのね」
「あまりもたない方がいいってね」
 その様にというのだ。
「自分から汚い場所をお掃除する様なことはいいけれど」
「それはいいのね」
「そしてしてやってると思うことも」
「駄目ってことね」
「それ言ったらあんた偉いのかとか」
 そうしたというのだ。
「本当は嫌なのかとかね」
「そう思うしかないわね」
「だからね」
 それでというのだ。
「させてもらうもしてやってるもね」
「どっちも駄目ね」
「遜ったら付け込んでつけあがる相手もいて」
 そしてというのだ。
「高慢だとね」
「よく思われないわね」
「どっちもよくないから。ただ素直に感謝してくれる人だったら」
 そうした相手にはというのだ。
「是非ね」
「素直になのね」
「させてもらうでもいいってね」
「感謝してくれると」
「感謝の気持ちがあったら」
 それならというのだ。
「それが善人になる第一歩だからってね」
「感謝してるとなの」
「そう言ってたわ、それで感謝したら」
 かな恵はさらに話した。
「本人も幸せになれるってね」
「おばさん言ってたのね」
「それがひいお祖母ちゃんの言葉で」 
 かな恵の母から見て祖母にあたる彼女のというのだ、かな恵は理虹に対してだけでなく他の三人に対しても話した。
「お母さんからね」
「かな恵に伝わってるのね」
「そうなの、やっぱり善人だとね」
「それに越したことないわね」 
 一華もそれはと頷いた。
「そうよね」
「まあ善人って言っても親鸞さんの言う善人じゃないわね」
「この場合は性格のいい人ね」
「あの人の言う善人ってね」
 親鸞の言うそれはというのだ。 
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