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探偵ストレイドッグス

作者:スズ
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第8話 麻生成実

「・・・・・・うん。やっぱりほしいよねぇ。」
「太宰の阿保が毎回どっかけがを負ってくるからな。」
「ったく、あいつ自身与謝野さんの異能が効かねぇのに」

「やっぱほしいよなぁ・・・・・・・医者が・・・・」
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カタカタカタ



「どうだい?調査できてるかい?」

「うん。乱歩さん。やっぱりアタリだよ。あの事件は無理心中じゃない。無理心中にしては不自然だな。」

「ふぅん・・・・・てことはこの人たちによってかな。」



乱歩と翼は今まで警察で解決した事件の整理をしていた。
DMOでは未解決事件や一度解決した事件に不自然な点がないかを洗い出す権限が付与されている。これも異能特務課の特権✙今まで警察に恩を与えてきたが故の信頼からなるものだった。

「それにしても乱歩さんが今回事件整理に来るなんて珍しいですね。」

「んーーー。社長が褒めてくれるし、駄菓子くれるって言ってたしそれに・・・・今回自分の推理が告げているんだよねぇ、行く先に医者にふさわしい人材がいるってね」

「あぁそういえば太宰さんの件で与謝野さんが嘆いてましたね。国木田さんも頭抱えてました」
「まぁ太宰だし」


どんよりとした空気を同じ事務所にいる乱歩も翼も感じていた。

だからこそ仕事先でいい人材がいればスカウトをしようと心がけているのだ。

以前ではわがまま気質だった乱歩も生まれ変わって大人になったのだ
駄菓子好きは変わっていないが。

「まぁ、行ってみますか」
‟月影島へ”


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船を乗り月影島にやってきた。

やってきたのは乱歩と翼と、

「いやーーーまさかこんなに早く外出できるとは思わなかったなぁ」

諸伏景光である。


潜入捜査を離脱して半年足らず、萩原、松田、伊達、組織の中では降谷、赤井、骸、完全外のDMOからは翼、更には異能特務課も監査として参戦している大規模な警察組織の埃叩きは絶賛慣行中である。
ちなみに完全警察内部の萩原、松田、伊達だがこんなことしていていいのかとの問いには、
「友が売られたんだ黙ってみているわけいかないだろ。」
「自分たちもいつ同じ目に合うかわからないしね。そんな連中いないにこしたことないでしょ。」
「あしはつかないようにするから安心しろよ」との頼もしいお言葉があった。
一応万が一が起こらないように翼が待機している。完全な職権乱用状態だ。

張りきりように諸伏は涙をしていたりするがそれは知らないお約束である。


ちなみに余談だが高明には生存報告はしたものの理由は説明していなかった。おそらく説明するともれなく長野県警も参戦である。


このようにそれぞれが忙しい合間を縫って捜査中なわけだが、早くも諸伏を連れだすことに成功していた。諸伏の先輩:風見を通じて降谷からあっさりOKが出たのである(諸伏の生存を知っているのはDMOとあの場にいた面々の他では風見だけである。また風見も厳選なる調査の結果安全であることが保障され風見自身も生存を知った時泣いていた)

諸伏はトレードマークのひげを剃り、黒髪イメージを変えるため茶髪のウィッグをかぶり伊達メガネで変装をしていた。万が一があれば翼がフォローに入る。

場所が月影島という都内からも離れた孤島だということもOKが出た理由だった。
降谷曰く「お前も警察官だ。こもってばかりじゃなくて捜査の手伝いをして来い」とのことである。

ということで3人ではるばるやってきたのだった。

早速捜査の基本聞き込みをしていく。しているうちに浅井成美という女医にあったが乱歩が男性とすぐに見抜いたり(ちなみに翼もわかっていたが諸伏はわからなかったため若干落ち込んでいた)すぐに実の息子だと見抜いたりとひと悶着があったが事件の全貌が明らかになっていく。
最後に公民館の金庫の中にあった父親:麻生圭二の手紙に“お前だけは真っ当に生きてくれ”というメッセージをみた浅井成美否麻生成実は

「最初はもし真実が分かったら復讐しようと思ってたんだ・・・でも父さんはそんなの望んでない知っちゃったらそんなことできない」

「うん、それがいい。もし復讐したとしてどんなに反省もせず絶望もしないままになってしまうからね」
「まぁ真実を知った今何もしないわけないけど」
「殺さなくたって絶望させることなんて簡単だし」


そんなことを顔色変えずにいう彼らを見てもしかしたらこっちのほうが怖い?と思ってしまう成実だった。

「翼。もう連絡はしてあるかい?」
「うん。少し前に関さんには連絡入れた。すぐに青山さんと泉さんをよこしてくれるって」

「じゃあそろそろはじめようかな」

「え?だれ?」
「麻薬取締官。ま、当然だな。それにしてもマトリのエースか・・・・噂には聞いたことあるけど相当優秀らしいな」

そして当時のことを知っている人を集め真実を話す。犯人たちは散々わめき認めずにいたが乱歩がことごとく論破していく。乱歩からはどんな頭が切れても逃げられないのだから無駄な悪あがきである。

途中犯人の一人亀山が心臓発作を起こす場面もあったが翼の異能で回復&延命措置をし、成実が応急処置することで事なきを得た。成実にとっては遺族と犯人という
間柄だが、「罪を償ってもらわなきゃ困る」ということで処置をしてくれた。
その時の成実の表情はつきものが取れたという表情をしていた。

その後すぐに連絡をした通りマトリの青山と泉が到着し確保しさらに殺人も犯しているということで捜査一課とも連携をとるそうだ。



そして成実の今後だが


「成実さんは今後どうするの?」
「うーん、さすがに島にはいづらいよね」
「だったら、DMOの専属医者になってくんない?」
「実は本題はこれだったんだけどね」
成実にスカウトに来た経緯を話す。

「てなわけで異能力者ではない医者が欲しくてね。」
「うちには森さんがいるから学びたいなら“横浜総合医療センター”や系列他病院での研修もつけるよ」
「森さんに許可もらってないけど大丈夫か?」
「頭を抱えてた中に鴎外さんもいたから大丈夫でしょ。このぐらい許可出すでしょ」

成実にとってもかなり魅力的なお誘いである。どんなに月影島が孤島であろうと本島の情報は入ってくるのだ。当然DMOのことも横浜総合医療センターのことも森鴎外のことも知っていたのだ。

最終的にはほぼ即決だった。
しかし懸念もあった。月影島には医者が成実しかいない。つまり医者がいなくなるのだ。新しい医者を見つけるにも事件が終わりかなりの逮捕者が出た手前すぐに見つかるとも思えなかった。

そこで翼はすぐに鴎外に連絡を取った。医者をスカウトするのに成功したことその弊害で問題があることその内容について簡潔に説明した。

すぐに自身が医院長を務める横浜総合医療センターと全国にある系列病院から常駐はできないまでも医者と看護師を巡回させることを約束したのだ。

そして現村長にそのことを説明し巡回医者が来た際の滞在先として麻生成実が医者として過ごしていた建物を使わせてほしいとお願いし快く了承してもらうことに成功した。


そして成実を連れてDMOに戻り紹介をすると与謝野をはじめとするどんよりと頭を抱えていた者たちがすごい喜んだことは言うまでもない。
 
 

 
後書き
探偵原作人気の回です。

麻生成実
23歳(原作軸26歳)男
月影島に赴任したばかりの新米医師、浅井成美として医療を見ていた。
12年前の一家無理心中事件に違和感を持った乱歩と翼(+景光)の訪問によって事件の真実が公になることになる。
原作では2年前に犯人の一人によって真実を知ることになったが、本作ではまだ調査途中だったため不信感はあれど復讐心まではなってない。
真実を解き明かしてくれただけでなく父のメッセージを見つけてくれたことに感謝
 
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