| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

海は危ないが

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第四章

「自然は危ないよ」
「それはそうだけれどな」
「そんなの普通気にしないぞ」
「そんなの言わないぞ」
「普通そんなの気にするか」
「何処行くにもな」
「けれど実際にあるよ」
 津波それに雪崩はというのだ。
「そういうのが怖いからね」
「だからそう言ったのがネタなんだよ」
「いい加減わかれよ」
「自覚がないところが余計になんだよ」
「面白声優って言われるんだよ」
「そうなのかな、まあ僕としては実際にそう思うし」
 グリーンは口々に言う友人達にこう返した。
「別にね」
「いいんだな」
「ネタにされていても」
「それでも」
「うん、それで話題になって知られているし」
 このこともあってというのだ。
「いいよ、声優も知られてこそだしね」
「知名度って大事だな」
「そうした仕事だな」
「そこは俳優さんやアイドルと同じだな」
「舞台やテレビに出る時もあるしな」
「だからね」
 その重要な知名度のことを考えると、というのだ。
「僕はいいと思うよ」
「そうなんだな」
「ネタにされていても」
「それでもなんだな」
「本当にこの世界知名度大事だから」
 そうした世界だからだというのだ。
「それでだよ」
「成程な」
「お前がいいって言うならな」
「それならな」
「それでいいな」
「うん、仕事は続くし」
 彼は笑顔でさらに言った。
「これからも頑張っていくよ」
「そうしろよ」
「俺達も応援しているからな」
「これからもな」
「うん、そうしていくよ」
 グリーンは笑顔で応えた、そうしてだった。
 彼はそれからも声優として活躍した、その声と演技力だけでなく独特のキャラクターも人気であった。それは結婚して業界の大御所と呼ばれても同じであった。


海は危ないが   完


                 2021・12・17 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧