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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第十一幕その五

「日本の宗教でもそうでね」
「神社やお寺に親しんでいた織田作さんだし」
「やっぱり日本的に神仏に触れていたし」
「だったらね」
「織田作さんも日本の宗教の中にいたから」
「その魂もね」
「日本の信仰の通りにね」 
 先生が今いるこの国のというのです。
「あって」
「大阪におられるんだ」
「それで今も大阪を愛していて」
「大阪にいることを楽しんでいるのね」
「そうなんだ」
「そうかも知れないね、本当に大阪を愛していたから」
 そうした人だったからだというのです。
「今もね」
「その魂はだね」
「大阪にあるんだ」
「それで煙草屋でヒロポンを買ったんだ」
「そうだったんだ」
「ヒロポンは覚醒剤でね」
 先生は今度はこちらのお話をしました。
「今は絶対に売買や使用は駄目だけれど」
「それでも当時は法律で使ってもよくて」
「普通に売られていたんだね」
「街の煙草屋さんでも」
「そうだったんだね」
「そうだよ、それでね」
 そのうえでというのです。
「結核で身体も大変だったけれど」
「それでもだね」
「ヒロポンを打って何とか奮い立たせて」
「そうして書いていたってね」
「先生言っていたね」
「それで注射ダコが出来てね」
 ヒロポンを打っていてというのです。
「打つのに苦労したって話もあるよ」
「そこまでして書いていたのね」
「結核で大変だったけれど」
「ヒロポンまで打って書いていたのね」
「そこまでして」
「そうみたいだね、覚醒剤は身体の中のエネルギーを強引に引き出すから」 
 そうした効果があるというのです。
「例え重度の結核でもだよ」
「身体が奮い立つんだ」
「死にそうな状況でも」
「それでも」
「うん、そしてね」
 そこまでしてというのです。
「書いていたんだ」
「覚醒剤って栄養じゃなくてね」
「エネルギーを補給しているんじゃなくて」
「強引に引き出していて」
「余計に体力を消耗するんだよね」
「気力も」
「だから使ったらね」
 覚醒剤をというのです。
「絶対に駄目なんだ」
「身体の中のエネルギーを強引に引き出して」
「それで元気にさせているだけで」
「実は身体に無理をさせているから」
「使ったら駄目なのよね」
「だから使っているとね」
 そうすればというのです。
「筋肉も骨もボロボロになって」
「精神もおかしくなって」
「幻覚や幻聴に襲われて」
「もうとんでもないことになるんだよね」
「だから使用が禁止されたけれど」
 法律でそうなったというのです。 
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