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聞く声と聞かない声

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第二章

 彼等の家の壁にポスターを貼っていった、捨て犬や捨て猫育児放棄に児童虐待への問題をについてのそれを。
 そして落書きもさらに増えていった。
「犬捨てるな」
「犬の気持ちを考えろ」
「子供を何だと思ってるんだ」
「この家には犬を捨てて子供をほったらかしにした屑がいます」
「犬捨てて楽しいか」
「犬飼う資格なし、ふざけるな」
「皆さんこんな夫婦になってはいけませんよ」
 こう書かれていった、そして。
 百田家の夫婦はこの状況に怒り本家に言いに行った、だが彼は二人がポスターを貼ることを許可したことに抗議に来たと聞くと妻に対して冷たく告げた。
「すぐに警察に来てもらえ」
「それで連れて行けっていうのね」
「そうして前科増やしてやれ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「そうするのね」
「そうだ。連中の声は聞くな」
「あの夫婦の声はなのね」
「聞いていい声と悪い声があってな」
 そうしてというのだ。
「ああした連中の声はだ」
「聞かなくていいのね」
「全くな」
 何の揺るぎもない言葉だった。
「だからだ」
「警察を呼んで」
「それで連れて行ってもらえ、すぐにな」
「じゃあそうするわね」
「刑事告訴もしてな」
「本当に容赦しないのね」
「じゃあ反対か?お前も」
 本家の彼は妻に問うた。
「俺がこうするのも」
「いえ」
 妻は首を横に振って答えた。
「当然でしょ、あんな人達」
「そうだな、じゃあな」
「そうしてなのね」
「追い払え」
「それじゃあね」
 こうしてだった。
 本家の彼は夫婦は警察に連れて行ってもらって刑事告訴した、そうして彼等に前科を増やさせたうえで二度と家に来るなと言った。そうして夫婦の家の壁のポスターはどんどん増やしていってもらったのだった。


聞く声と聞かない声   完


                 2022・3・24 
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