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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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5-⑵

 次の土曜日 朝9時頃 昂が訪ねてきて

「おう 早く 着替えて来いよ」

「なんなのー 着替えるって」

「言ってたろー 付き合うって トレーニングだよ まぁ 俺は、そのままんまの服でも良いけどー」

 私は、その時 気が付いた。長めのトレーナーパジャマで下のズボンは穿いてなかったのだ。あせって、思わず前を押さえたんだけど、見えてるわけないと・・思い直していた。

「あっ そうか 待っててね」と、私は、体操用のハーフパンツで出て言ったら、途中から昂はあの山の上の神社に向かって行った。

「あのー 昂 待ってよー 登るのー ジョギングって河川敷とか軽く走るんじゃぁないのー」

「だから トレーニングって言ったじゃん 文句言わないの! しっかり、ついて来いよ」

「えー これじゃぁ 地獄トレ やんかー 鬼かぁー」

「黙って走れよ 息切れするぞ 付き合うって、可愛い顔して言ってたやろー」

「うー 今 可愛いって言った?」

「うん あん時はな でも、今は 顔が歪んできてるぞ」

 もうーなんでウチはこんなことになるはめになったんだ と、ゼェゼェ言いながら、ずーと先を行く昂を追いかけていた。もう ダメと思っていると、上のほうから昂がファイトとか勝手なこと叫んで、腕を振っている。あの野郎 ウチへのいたわりの気持ちも無いのか― もう 腿のところが震えてきていた。

 ようやく上に着いた時、昂は腕立て伏せをしていた。何と言う奴だ。本当に鬼の子なのかー。

「おう やっと 来たかー 1Km位しかないんだぜー これくらいでへたばるなよー」

「そんなん ゆうてもなー もう心臓バクバクやでー」

「どれ」と、言って昂君が私の胸に手をあてようとしてきた。私は、防ぎながら

「なにすんのー! いきなり」

「そんなにびっくりするなよ 抱き合ってキスした仲やんか」

「ウェー やっぱり あの時 わざとやったんやろー 抱き合ったわけちゃうからね」

「ばか 偶然でもキスはキスやろ さぁー あの参道をうさぎ跳び3往復 まぁ真珠は2往復でいいや」

「ゲー なに ゆうてんのん いじめやんかー そんなん」

「あのなー 夏美とか蘭ちゃん 最近、ぶくぶくしてきたん知ってるやろー あんなんになりたいんかー 真珠もちょっとぷっくりしてきてるぞー」

「うーん やるよー やればいいんでしょ この鬼めー!」

 やり始めたけど、とても ダメ こんなんアカン。私が片道の半分も行って無いのに昂は折り返してきてすれ違ってた。ようやく、片道を終えた時、昂が戻ってきて

「なぁ 昂 もうアカン あっちまでいい?」

「そんな泣き言うなよ 根性だよ」と、私のお尻をポンとしていってしまった。

「なんやね いきなり触るな! すけべー」

「おお いきなりじゃぁなきゃいいのかー ベェー」と、どんどん進んでいく。そして、又、すり違った時「もう 少し がんばれ」と・・。そして、何とか1往復住んだら、昂が戻ってきて

「うん しょうがないな 1往復で許してやら― 初めてなんだものな 頑張ったよ」

「ありがとう うー なんでウチがお礼言わなあかんねん」と、くたばっていたら、昂はシャツを脱ぎだして汗を拭いていた。

「ちょっとー なんで、女の子の前でそんなん・・恥ずかしいやん」

「なんやね 泳ぎに行った時、さんざん見てるやないかー おかしいやろー」

「でもー 状況がちゃうやん こんなとこで・・」

「汗 拭いてるんやんか お前も拭いたろーか? 背中ビシヨビショやん」

「いらんわー もーぉー」

 そして、ようやく、街の景色が見渡せるベンチで休んでいた。風も心地よく

「わぁー 涼しい 風邪が気持ちいいね そろそろ紅葉なんだね あのね ウチあの時、本当に心配したんよ 昂がもう走れなくなったらどうしょうと」

「うん 真珠様々だよ 俺が真珠を守んなきゃいけないんだもなー アー 来月は修学旅行かー」

「だね 楽しみ」

「真珠 ブラしてんのかー?」

「なんや いきなり 2学期始まってから、スポブラみたいのんしてるでー」

「そうか 最近 真珠でも成長してきたもんな」

「その言い方 何やねん ウチかて 女の子やでー ・・・昂・・気になるんやったら・・さわってもええで!」

「アホ 好きな女の子にそんなことしたら、思い出してしもて、寝られんよーになるわ」

「今 なんて言ったのー もっと ちゃんと言ってよー」

「だからー 真珠のことが好きなんや」

 私は、横から、まだ裸のままの昂を抱いてホッペにチュッとしていた。

「ウチも昂が大好きやー・・・でも、他の子にそんなことしたら、嫌やで・・ウチ 昂やったら、かめへんからな」と、下を向いて顔が又、熱くなってきているのがわかった。なんか、すごいこと言ってしまった。だけど、昂君が私の顔をあげさせて、人差し指を私の唇にあててきて、それを自分の口に持っていっていた。もっと、もっと顔が燃えるように熱くなったのだ。両手で顔を塞いでいた。

 帰りの下り坂も私には、地獄だった。膝も震えるしガクガクで・・。でも、「やっと ハッキリ 言ってくれた」と、気分はルンルンだった。 

 



  
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