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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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4-⑷

 夏休み前の終業式の日。私は、昂君に

「なぁ 昂 宿題の絵 又、一緒に書いて、教えてな―」

「うーん 良いけどなぁ 又、パンツ見せてくれるのか―」

「えー なんやのー パンツ パンツって そんな、見たかったら、ウチの家にきたらなんぼでも見せたるわー この変態!」

「そんなんちゃうねん わざと見せられてもなぁー 偶然見えるのがええねん」

「うぅー わかったわよー パンツが見えるスカート穿いていったらええねんやろー 絵のついたやつでー」

「ウン でもなー 俺は今度は、宿題 工作にしよ思ってんねん でも、真珠には付き合うでー」

「もーう 昂はー 何で・・そんなにウチから離れて行くようなことばっかり・・」

「そんなことで 泣くなよー いつも、側に居てるやんかー」

「泣いてへんわー そーやって いつも・・」

 私は、何にイラついているのか解らなかった。

 私が昂君に頼んだ日 又、あの神社に行くことにした。あそこは、静かで人も居無いし、絵を画くのにお水もあるから。サロペットのスカートに・・いろんな色のシャボン玉みたいなの・・かわいいと思ってパンツ選んだ。見せたいっていうんじゃあないんだけど、昂がああいうからって・・自分に言い訳していた。

 昂君は本当に絵を画かないみたいで、バットを持って来ていた。

「真珠が書いている時、暇だろー 素振りしようと思ってな」

「・・・ ハァー ・・・」

「なんだよー そのため息は・・」

「うん わからへん いろんな意味でネ ねぇ 手 引っ張ってよー」

「わかったよー それ 弁当やろー それも持ってやるよ」

「昂 珍しく 優しいヤン」

「ウン 期待してんネン ・・・色々とな―」

「アホちゃうかー」私、あれこと 気をまわし過ぎやろかー・・

 お昼頃になって、絵のほうは何とか恰好ついてきたので、作ってきたお弁当を広げたら

「ウン 去年より 上手になったみたいだな えらい えらい」と、ちゃんと俵の形になったおにぎりを食べてくれていた。

「昂 汗びしゃやんかー タオルも持って来てへんの―」

「そんなものないよ ええねん このままで」と・・。私は仕方ないので、自分が首から下げていたタオルで昂君の額の汗を拭いていったら

「いいよ 自分で拭く」と、私のタオルを奪い取って、おまけに首まで拭いていたのだ。返されて、私はそれを首に掛けた時

「汗 くさー」

「すまんなー でも、俺は、真珠のいい匂いがしたよ」と・・グサーとくるようなこと言うな!と黙っていたら、私の絵を見て、今日は手前の大きな樹と奥の社を描いていたのだが

「この樹の幹と枝のところじゃぁ ごつごつ凸凹が違うだろー もっと、よく見ろよ 光の当たり具合だって、太陽が傾いて来ると影が変わって来るから、早く描かないと、訳わかんなくなるぞ うーん 真珠 この玉子焼き うまいよ 好み」と、注意してるのか、褒めているのか・・こいつは・・。

 それから、言われたように注意して描き上げて、帰ろうかってなった時、又、昂君が汗びしゃで

「昂 このタオル 濡らしてもいいから、身体拭いたらぁ?」とタオル渡すと、昂君は水道で絞って、Tシャツをまくり上げて、拭いていたかと思うと

「真珠 背中 拭いてくれんかー」と、タオルを渡して、背を向けてきた。

「なんで そんなこと ウチがせんならんのー」

「ええやんか 背中ぐらいかけるって病院で言ってたやん」

「うーん 言った」と、私は変な気持ちで背中を拭いていたのだ。

 帰り道、坂を下りている時

「残念やったね 見れなくて・・」と、私がポツンと言うと

「見たよ 水玉 いろんな色のん かわいいよ」

 いつの間に・・・私は、持っていた袋を昂君に向かって振り回していた。



 

 
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