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麗しのヴァンパイア

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第四百三十二話

                第四百三十二話  朝なので
 カーミラが眠りに入った頃今田先生は既に起きて朝のトレーニングと入浴そして朝食を済ませてだった。
 魔法の本を読んでいた、ここで使い魔達に言った。
「もうすぐ十時ね」
「はい、気付けばですね」
「もうそうした時間ですね」
「時間が経つのは早いですね」
「五時に起きて」
 今田先生はいつもこの時間に起きるのだ。
「そしてね」
「トレーニングをされて」
「お風呂にも入られ」
「朝ご飯を召し上がられ」
「歯も磨かれてですね」
「お勉強をしたら」
 そうしていると、というのだ。
「もうね」
「十時ですね」
「本当にあっという間です」
「時間は過ぎていきます」
「ええ、ただ私は起きているけれど」
 ふと先生はこう言った。
「もう彼女は寝ているわね」
「彼女?」
「彼女といいますと」
「どなたでしょうか」
「カーミラよ」
 こう使い魔達に答えた。
「彼女は吸血鬼だからね」
「幾ら太陽が平気でも」
「夜の住人なので」
「それで、ですか」
「ええ、お昼はね」
 この時はというのだ。
「彼女は寝ているわ、そしてね」
「今からですね」
「ベッドに入ってですね」
「眠っていますね」
「人は夜は寝て昼に起きるけれど」 
 それでもというのだ。
「吸血鬼はね」
「夜は起きてですね」
「昼は寝る」
「そうするものですね」
「そうよ、だから彼女はね」
 カーミラはというのだ。
「今は寝ているわ」
「そうですか」
「そうしてですか」
「休んでいますか」
「そうしているわね」
 こう言うのだった、そして彼女のことを思いながら今は書を読むのだった。


第四百三十二話   完


                   2021・12・25 
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