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麗しのヴァンパイア

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第四百三十話

             第四百三十話  このわたの後で
 このわたの後で海鼠自体が来た、カーミラは食べやすい大きさ刺身の様に切られた海鼠をぽん酢で食べつつ言った。
「これもまたね」
「美味しいですね」
「海鼠自体も」
「左様ですね」
「ええ、海鼠は前から食べていたけれど」
 それでもというのだ。
「いいわね」
「左様ですね」
「非常に美味しいですね」
「海鼠そのものも」
「このわただけでなく」
「海鼠を食べることは欧州ではないわ」
 食文化の中にそうした風習はないというのだ。
「中国ではあるけれどね」
「中華料理の中で珍味ですね」
「非常に高価で取引もされています」
「見事な食材です」
「漢方薬でもあるわ、そして日本ではね」 
 その海鼠を食べつつ話した、海鼠のこりこりとした食感を味わいつつ話した。
「この通りなのね」
「はい、生で食べます」
「お刺身の様にして」
「そうして食べます」
「そうね、これもね」
 ここで酒を飲んでまた言った。
「美味しいわね」
「左様ですね」
「ではお楽しみ下さい」
「一匹分ありますので」
「そうするわ。あとね」
 カーミラはさらに言った。
「枝豆もあるわね」
「はい、それでは」
「そちらも頂いて下さい」
「そうされて下さい」
「堪能して下さい」
 使い魔達も口々に言ってだった。
 枝豆も差し出した、そしてカーミラもだった。 
 その枝豆を食べた、それでまた言った。
「こちらも美味しいわ」
「それは何よりです」
「ではお酒も出します」
「そうします」
「どんどん飲まれて下さい」
「それではね」
 カーミラは入れられた杯の中の酒を再び飲んだ、そのうえで。
 気付けば一升空けて海鼠も枝豆も食べた、食べ終わってから夜空を見てそのうえで憩いの時も迎えた。


第四百三十話   完


                 2021・12・16 
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