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タイトル案は第一話に記載しています。

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帝都終末戦争①

ー帝都ー

バルタザール大佐が帝都に戻る。

そのとき、帝都は赤く燃えていた。

全ての家に火が回っている。

その中で、一人、佇む者がいた。

「ああ、大佐。遅かったですね」

勇者が炎の中で口角を吊り上げ、挨拶する。

「だが、まだ生き残りがいるかもしれない。その人達のために、お前を倒す」

大佐が、勇者に人類を守る覚悟を述べた。


====BOSS BATTLE ~Braver ”Ruud”~ =====

(本当は魔王城で人類軍を全て殲滅したかったが、ブリュンヒルト中佐に深手を負わされたせいで回復する手間が必要になった。だが、ここは帝都だ。大佐は戦いにくいに違いない)

大佐は右手を45度回して、旋回する風を巻き起こす。

「第一章『救済』」

十字の光を解き放つ。

だが、その光は風によって薙ぎ払われた。

(やはり、人類最強は一筋縄ではいかないな)

「なぜこんなことをする?」

大佐が勇者に尋ねる。

(この際だ。全て話してやろう)

「僕は一度、魔王を倒して世界を救ったんですよ。ですが、あろうことか、人類はそんな僕を処刑しました。そして、僕は神の意志によって時間を撒き戻った。だから僕は、そんな人類の蛮行を咎めなくちゃならないんだ」

勇者が、世界に向かって演説でもするように話す。

「お前のような危険な人間、野放しにしておくわけにはいかないだろう。そうだな、きっと私でも同じようにしただろう」

それを聞いて、勇者は思う。

(勇者である僕を処刑できるほどの人物で、更に僕を処刑する理由のある人物。やっとわかったよ)

「いや、前の世界で僕を殺したのは、あんただよ、大佐。」

「ああ、そうかもな」

「その、恩義に報いようともしない卑劣な行為!そして、僕を見殺しにした民衆!全て、罰するべき咎人だ!!」

勇者がそう言い放ち、光と風の戦いが始まった。

「第三章『神罰』」

空からの光の槍に立ち向かうのは、手を60度回して放つ、荒波のような暴風。

光の槍は、全て風に弾き飛ばされ、勇者も押されて掠り傷を負った。

(なかなか威力が大きいな。面倒だ)


ー聖典第二章第三節_正義を為すのに、手段を選んではならないー

聖典の言葉を思い出す。

風を避け、住居の上に飛び乗った。

「いいんですか?大佐。ここを壊せば、もしかすれば中にいるかもしれない人が死にますよ?」

勇者は、家の上でそう言い、大佐の動揺を誘う。

(一瞬でも迷えば、その瞬間に首を獲る)

そんな勇者を、大佐は地上から見ていた。

ーじゃあね。人類を頼んだよ、バルタザール。

アリシアの言葉を思い出す。

(私は託された。だから、一人でも多くの人を守らなくてはならない..!!)

手を30度回し、抉るように家ごと勇者を攻撃する。

勇者は別の家に飛び乗ってそれを躱す。

「なにするんだよ」

「お前を倒すのに、少しの油断もできない!お前を倒せないと、全てが終わる..!!」

(そうだ、私は、全ての人類を代表して、お前を殺す..!!)

そのまま、直線上にある住居を風で破壊する。

「ッ!!?」

勇者は咄嗟に避けたが、少なからず負傷した。

(いくら回復速度が速いとはいえ、致命傷を受ければまずい..!!)

そして、勇者と大佐は帝都の中心へと至った。

「来いよ、大佐。次こそ僕が勝つ」

「いいや、百年早いな」

風と光がぶつかり、周囲の建造物が破壊される。

「ッ!!!」

風に押され、勇者の剣が飛ばされた。

(今だ。人類の敵を倒す!!)

そして、帝都中央のある建造物が吹き飛ばされた。

(光魔法は万物に込めて放つことが可能。なら...)

勇者は、大佐の前に飛来するあるものまで跳んだ。

「終わりだ」

勇者は、落下する《《処刑台》》の紐を下ろして刃を飛ばした。

「第二章『断罪』」

刃に光魔法が込められ、大佐へ放たれる。

「報いを受けろ」

処刑の刃は、真っすぐに大佐を貫いた。


 
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