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無住寺

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第二章

 不動呪を唱えて修行をしていた、すると。
 そこにだ、何とだった。
 多くの鬼達が来た、その鬼達はというと。
 一つ目の者や角がある者、他にも様々な姿の者がいた。誰一人として同じ姿の者はいない。その鬼達がだ。
 部屋の中で遊びはじめた、それを見て二人は怯えたがこうした時こそ念仏を唱えなければならないさもないと鬼に見付かると思ってだ。
 仏にすがって必死に念仏を唱え続けた、すると。
 鬼達は二人でを見て言った。
「ここに何かあるな」
「不動尊の像が二つか」
「こんなもの何時の間に置かれたんだ」
「邪魔で仕方ないな」
「全くだ」
「どけるか」
「そうだな」
「縁の下にやってしまえ」
 ある鬼がここで言った。
 そしてだ、そのうえでだった。
 鬼達は二人彼等から見て不動尊に見えるその二人を縁の下に置いた、そこで難を逃れたと思った二人は。
 ほっとして気を失った、そして目が覚めると。
 朝だった、だが。
「寺にいた筈だが」
「野原ですね」
「どういうことだ」
「村でもないです」
「ここは一体」
「何処でしょうか」
 二人共起き上がって周りを見回した、だが。
 何処かわからなかった、それでだった。
 彼等は暫く歩き丁度通り掛かった者にここが何処か尋ねた、するとこう言われた。
「ここは肥前ですが」
「肥前!?馬鹿な」
「そんな筈がありません」
 二人はそう言われて仰天した。
「我等は摂津にいたのです」
「それがどうして肥前に」
「そう言われても」
 その者の方が驚いて返した。
「ここは肥前です」
「まことか」
「嘘を吐いてどうするんですか」
 男は全済に言い返した。
「一体」
「そうなのか」
「はい、それに言葉の訛りでわかりませんか」 
 その者はこうも言ってきた、見れば初老の男である。 
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