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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第68話

 
前書き
力の大会開始。 

 
それぞれが思い思いの時間を過ごす中で、一度悟空達が戻ってきた。

「ただいま!戻ってきたよ!!」

「ああ、遅かったな…何で悟空の息子はボロ雑巾みたいになってるんだ?」

悟林の声に振り返ると苦笑している悟空がボロボロの悟飯を支えており、今にも死にそうな状態である。

しかし前に見た時より格段に良い表情である。

「よう、悟飯。随分とボロボロだが、面構えが変わったな、少しはマシになったようだな。まだまだ未来のお前には遠く及ばないがな」

「そう言うおめえも何でそんなにボロボロなんだ?」

悟飯よりはマシとは言えベジータも相当にボロボロであった。

「ビルス様と少しな…悟飯、お前も以前とは格段に戦闘力を上げたな?何をした?」

「何、悟林と手合わせをさせただけだ。こいつらは双子であるためか気の性質が同じだ。こいつら姉弟は闘わせることが一番の成長の鍵だと思っただけだ。尤も昔のこいつが悟林に対して本気でやり合っていなかったことが露呈しちまったようだがな」

思い返してみればセルとの闘いの前の精神と時の部屋に入る前の2人の悟飯は当時のサイヤ人達の中でも弱い方だったが、修行を終えると一気に最強クラスのレベルに到達した。

それは同じ気を持つ者同士の激突によって力が無意識に引き出されたからかもしれない。

悟林と未来悟飯でも同様の現象が起きたのだ。

ピッコロとしてもここまでの成果は予想していなかったようだが。

まあ、昔の悟飯は悟林に対して無意識に勝てないと思い込んでいたところがあるので本気でやれなかったのだろう。

「ふん!で?どうなんだ?やれるか悟飯?」

「は、はい!」

「取り敢えず昔の力は取り戻したんじゃない?知らないけど」

「オラが仙豆を貰ってきてやる」

悟空が瞬間移動でカリン塔に向かい、仙豆を貰うと悟飯とベジータに差し出した。

「すみません」

「ふん」

「ほらおめえも」

「私は要らないよ?」

「いくら極めたからって界王拳も疲れるだろ?念のために食っとけ」

悟空も界王拳を使うために消耗は嫌と言うほどに理解しているので、悟林に仙豆を渡すと悟林も仙豆を食べた。

そしてしばらくすると悟天と人造人間姉弟とクリリンと亀仙人、そして天津飯が現れる。

「あれ?どうしたんだおめえ達?」

「応援に来たんだよ、一緒には闘えないけどせめて近くで応援したいと思ってさ」

「やれやれ、まさか全宇宙を賭けた闘いが起こるとはの」

「悟空、俺達の宇宙の未来を託したぜ。頼むぞ親友!!」

「おう!」

握手をする2人。

その直後に占いババと共にフリーザとセルが現れた。

「本当に現れやがった」

「おやおや、見覚えのある方ばかりですね」

「孫悟林の隣にいる男…貴様、孫悟飯だな?」

「セル…!」

目の前にいる姉の仇に悟飯の表情は険しくなる。

いくら姉が気にしていなくても自分達から7年間もの時間を奪った男だ。

「あの小さかったガキがここまででかくなるとはそれだけの時間が経過していたと言うことか……だが、貴様は本当に孫悟飯か?確かに面影はある。戦闘力もそれなりにあるのだろうが、あの時の貴様にあった怒りと冷徹さを併せ持った殺気と圧倒的なまでの威圧感が感じられない」

確かに戦闘力ならば今の悟飯の方が圧倒的に高い。

しかし、今の悟飯には最後の闘いで見せた超サイヤ人2状態の悟飯のような気迫が感じられない。

「!?」

「ああ、悟飯はセルを倒してから平和ボケしてたからね。子供の頃と比べると気迫が足りないのは当たり前だよ」

「なるほど、どおりで…戦闘力に対して随分と弱々しいわけだ」

「だから今は、修行をし直しているんだ!」

「言い訳など要らない!これ以上私を失望させるな、この大会で進化し、お前達姉弟への復讐を遂げようと思っていたが…肝心の復讐対象が腑抜けていては意味がない。少し時間をくれてやろう。その間に少しでもあの時の気迫を取り戻すことだな」

それだけ言うとセルは悟林に振り返る。

「孫悟林、約束を違えるなよ」

「分かってるよ、ドラゴンボールで復活させてあげる。フリーザと一緒にね、良いよねお父さん」

「ああ、約束だかんな」

条件がまさかのフリーザとセルの復活であることに周囲が騒然となる。

「貴様らは本当に何を考えてるんだ…!地球をぶっ壊されたらどうするつもりだ…」

「おやおや、サイヤ人の王子が随分と甘いことを言うようになったものだ。」

「セル、貴様にもフリーザ同様借りがあったな…ここで始末しても構わないんだぞ?」

「随分とパワーアップしたようだが、今度は何だ?ウルトラ超ベジータか?」

嘗てのパワーアップを皮肉るセル。

険悪な雰囲気になりかけた時、悟林がフリーザに声をかけた。

「やあ、フリーザ。分かるよ、以前よりパワーが跳ね上がっていることに…どんなトリックを使ったの?」

「イメージトレーニングをする時間は腐るほどありましたからね、あなた方を殺すシミュレーションを何千回としました。それによりゴールデンフリーザの欠点である体力の消耗を完全に克服しました。何なら今ここで見せてあげても構いませんよ?」 

「おい、フリーザ。馬鹿な真似をすればこの僕が黙っていないからな」

「ほほほ、冗談ですよビルス様」

「とにかく、悟天とトランクス君は大会が始まったら雑魚を優先して倒してくれる?2人は雑魚散らしに向いた技をいくつか持ってるから、雑魚を減らしてくれれば私達も動きやすくなる。残りの敵は私達が何とかするから」

「「はーい」」

「よろしい」

悟林が悟天とトランクスにやってほしいことを伝えると頷いてくれた。

するとビルスがメンバーに指示を出す。

「良いかお前達、悟空とベジータの息子が雑魚を蹴散らしたら協力して闘え!バトルロイヤルだからチームワークが大切なんだ。今だけで良いから仲良くしろ!!良いか、基本はチームで固まり、なるべく敵同士で闘わせて体力を温存しろ」

「大神官様、準備が出来ました。転送をお願いします」

『了解しました』

ウイスが大神官にメンバーが揃い、準備が整ったことを伝えると大神官の返事が来た。

「みんな、頑張ってよ」

「優勝して帰ってくっかんな、待っててくれよブルマ」

「とびっきり美味いもんを用意しておけ」

「任せといて…待ってるわよベジータ、トランクス」

ブルマの言葉に2人は頷いた。

するとメンバーは転送の光に包まれる。

「それでは参りましょう」

こうして第7宇宙のクリリン達観客を含めたメンバーは会場に向かうのであった。

「頼んだわよ、みんな」

ブルマは宇宙の運命を決める闘いに向かった夫と息子、仲間達の勝利を信じながら空を見上げていた。

そして会場に到着した悟林達は周囲を見渡す。

「ふん、地獄よりはマシな場所だな」

「セルの地獄は本当に何もなかったからね。それにしてもここが武舞台になるのか」

本当に何もなかったセル専用の地獄を考えるとここはかなりマシな場所だろう。

悟林が周囲を見渡すと場外の底がないことに気付く。

「こっから落ちたら大変そうだね」

「でも俺達は空を飛べるし、大丈夫だよ」

悟天とトランクスが場外を見ながら話すが、ウイスが訂正する。

「多分飛べませんよ」

「「何で?」」

「試しに飛んでみて下さい」

ウイスの言葉に早速悟空が舞空術を使おうとするが使えず、他のメンバー…18号も17号も使えないようだ。

「どうやら舞空術は使えないようだね。まあ、いちいち復帰されたら面倒だから仕方ないね」

「「えー?そんなー」」

「大丈夫大丈夫、飛ぶんだったら気功波を使えば良いし、空中での足場の確保はいざと言う時に気弾を使えば良いから大丈夫だよ。」

「ただし、気功波は体力を使うからあまり多用しない方が良いだろう」

ピッコロは悟林が言う気功波と気弾による疑似飛行は控えるように言う。

「…どうやら翼を持つ者は飛べるようだ。まあいい、それくらいのハンデはあっても良いだろう」

セルが冷静に空を飛べる選手を見つめながら言う。

「あれ?でも俺達は飛べるぞ?」

クリリンと天津飯と言った観客やビルス達神々は飛べるようだ。

どうやら選手は本当に飛べないらしい。

するとこちらに来たシャンパがこちらにいちゃもん仕掛けてきた。

「おい!ビルス!お前んとこの選手は14人じゃねえか!人数も守れねえのかよお前は!!」

すると他の宇宙からもブーイングが来る。

「うるさいねえ、悟天、トランクス君。黙らせちゃって」

「「はーい、フュージョン…はっ!!」」

早速2人はフュージョンで合体し、ゴテンクスとなって1人の戦士となる。

「あのハゲ3人は観客、そしてこれで10人だ。文句あるか?」

「き、汚えぞ合体なんてよ!」

「汚くない!これは界王神共の小道具と違って立派な技だ!!おまけにフュージョンは30分だ。合体が解けたら即失格なんだ、お前達にハンデをくれてやるだけありがたいと思え!!」

「ええ、フュージョンは道具による物ではありませんし、合体が解けたら即失格となりますので問題ありません」

「ちくしょおおおおおっ!!」

取り敢えず観客は全て観客席に移動した。

すると他の戦士とは桁が違う戦士を発見し、恐らくあれが破壊神より強い戦士をなのだろう。

「強敵もそこそこいるけど、他の雑魚が目障りだね…ゴテンクス君、初っぱなからお化けを100人出して雑魚を蹴散らしちゃってよ」

「「OK、100人ね。悟林姉ちゃんも人が悪いなぁ」」

「ゴテンクス君もノリノリじゃない。頼んだよ」

悪どい表情を浮かべている姉と弟(半分)の間に挟まれてる悟飯は居心地悪そうである。

「それでは力の大会…始め!!」

「ゴテンクス君!」

「「OK!スーパーゴーストカミカゼアタック!!お化け纏めて100人!!」」

ゴテンクスの口から放たれたお化けにほとんどの選手が驚く。

「「整列!突撃ーーーっ!!」」

「なあっ!?」

出たのはどこの宇宙の選手からだろうか?

100人のお化けが他の宇宙の選手の元に押し寄せていく。

「ひ、酷え…」

触れてしまった選手は爆発に巻き込まれて吹き飛ばされてしまい、残った選手の中には小さくないダメージを負った者もいる。

被害が軽いのは第11宇宙と第6宇宙くらいだ。

あまりの成果にクリリンは引き、ビルスは拍手を送っていた。

「良いぞ悟空とベジータの息子…いや、ゴテンクス!他の奴らも続けーーーっ!!」

「ちくしょおおおおおっ!!汚えぞ!ビルスぅううううっ!!」

「汚くないもーん!悔しかったらお前らもフュージョンしてみろ!ベロベロベロベー!!」

「くううううううっ!!」

舌を出して挑発するビルスに対してシャンパは悔しそうに歯軋りする。

「おやおや、随分とユニークな技ですね」

「意志を持つ技と言うのは面白いな、ゴテンクス…か…覚えておくとしよう」

フリーザもセルもゴテンクスのスーパーゴーストカミカゼアタックはかなり興味を抱く技だったらしい。

「やるな、あいつら!」

「当たり前だ!半分は俺の息子だからな!!」

「さあて、それじゃあ残りを狩るとしますか!」

他の宇宙が混乱している間に第7宇宙のほとんどの選手が突撃し、一緒に行動しているのは悟飯とピッコロだけだ。

「何て協調性のない連中だ。」

「でも、姉さん達はこれで良いのかもしれませんよ」

無理して連携して足を引っ張り合うよりは単独で闘った方が動きやすいかもしれない。

フリーザはフロストの前に姿を現した。

「なっ!?」

「すみませんねえ、予定より早く減ったのであなたは必要ありません」

どうやら試合が始まる前に何か話していたようだが、必要ないと判断したフリーザの一蹴りでフロストは場外行き。

「なるほど、透明人間か…だが、この煙の中では無意味だ」

ゴテンクスの先制攻撃は大半が気を読める第7宇宙を有利にしており、黙視が困難な透明人間の発見すらも容易にしていた。

セルが気合砲を浴びせて場外に叩き落とす。

「「へへーん!俺様大活躍だぜーっ!うわあっ!」」

調子に乗りすぎて足元がお留守になってしまい、転んでしまうゴテンクス。

「大丈夫、ゴテンクス君?」

「「う、うん…」」

顔を押さえるゴテンクスだが、目の前の石が動いていることに気付いてそれを退かすと何と虫人間がいたのだ。

「さっきの爆発に巻き込まれたようだね。」

「「どうするこいつ?」」

「踏んで死なせちゃったら失格になるから場外に捨てといて」

「「はーい」」

まるでゴミを捨てるような感覚で虫人間は場外に捨てられた。

「さてと、第2宇宙から仕留めるかな?やれる?ゴテンクス君?」

「「OK!行くよ悟林姉ちゃん!!」」

悟林は超サイヤ人ゴッドに変身し、ゴテンクスは超サイヤ人2に変身して第2宇宙の面々に突撃した。

「え!?」

「第2宇宙、チェックメイトだよ」

固まっていた第2宇宙の選手は先制攻撃で負傷していた選手もいるので神化を果たした悟林と超サイヤ人2のゴテンクスの敵ではなかった。

「ギャラクティカドーナツ!!」

そしてゴテンクスが拘束気弾を発射して第2宇宙の選手を一纏めにする。

「終わりだね第2宇宙」

「ひ、卑怯よ…あなた達…」

「敵を前に油断してる方が悪いんだよ。安心しなよ、私達が優勝したら超ドラゴンボールで復活させてあげる。だから安心して落ちなよ」

第2宇宙のメンバーを全て叩き落とし、そしてほとんどの選手を落とされ、残るはトリオ・デ・デンジャーズとなった第9宇宙も追い詰められていた。

しかし、デンジャーズは巧みな連携を使って悟飯を追い詰めていた。

「くっ!連携攻撃の使い手か…厄介だな」

「この程度の敵に苦戦するとは見てられんな孫悟飯」

「セル!?…何のつもりだ…」

「言っただろう、私の目的はお前達姉弟への復讐。だが、お前にはここで経験を積んで成長してもらわねば困る。復讐相手が弱くてはつまらんからな」

「へっ!後悔するなよセル」

潜在能力を解放する悟飯と気を解放するセル。

その圧倒的な気にデンジャーズは目を見開いた。

2人は一瞬で背後を取り、デンジャーズの2人を蹴り飛ばすと残った戦士であるベルガモを悟飯が強烈なアッパーで打ち上げ、セルが追い掛けて連続攻撃を喰らわせる。

「そらそらそらそら!!」

そして蹴り飛ばした後に強烈な肘打ちを叩き込んで武舞台に叩き落とす。

「「かーめーはーめー…波ーーーーっ!!!」」

悟飯とセルのダブルかめはめ波を喰らったデンジャーズは纏めて吹き飛ぶ。

それは第2宇宙の脱落と同時である。

「ビッグバン!!」

「かめはめ波ーーーーっ!!」

悟空とベジータも合体技で強引に第4宇宙の術を吹き飛ばしており、第4宇宙も残り2人と、虫の息状態だ。

「第9宇宙、第2宇宙!脱落!よって消滅となります」

「はーい、それじゃあ行くよー」

全王の力で第9宇宙と第2宇宙が消滅し、そして観客席にいた選手も神々も消えた。

「第9宇宙と第2宇宙とやらが消えたか…順調だな孫悟飯よ…」

「…僕はお前みたいに喜ぶ気にはなれない」

「そんな甘ったれたことを言っている余裕などないぞ。何時までも誰かが助けてくれると思うな…自分の身くらいは自分で守れ」

「そんなことくらい分かっている!!」

一度共闘したと言っても険悪な仲は全く変わらない。

セルは別の選手に目を向け始めた。

「しょ…消滅したのか…第2宇宙と第9宇宙…」

「そうです。宇宙ごと消滅しました。勿論、星も生物も神々でさえ消えています」

「か…神々も…」

ビルスの呟きに大神官が答えると、界王神が絶句する。

「確かに何も無くなっていますね」

ウイスが調べてみたが、第2宇宙も第9宇宙も完全に消滅しているようだ。

「さあ、皆さん。こうしている間にも時間はどんどん無くなっていきます。早く試合を再開して下さい」

「お…おい…第7宇宙!!絶対に…負けるんじゃないぞ!!負けたら破壊するぞーーーっ!!」

「負けたら消滅なんだけどね…」

ビルスの叫びに悟林は小声で呟くのであった。

「「悟林姉ちゃん…」」

「大丈夫だよ、ゴテンクス君は危なくなったみんなを助けてあげて、期待してるよヒーロー」

他の宇宙の選手に挑もうとした時、悟林の前に第11宇宙のナンバーツーとナンバースリーが立ちはだかる。

「これ以上はやらせんぞ!第7宇宙!」

「まずはお前から落としてやるぜ!」

「へえ、結構強そうだね…ウズウズしてきた」

トッポとディスポを相手にすることになった悟林だが、逆に凶悪な笑みを浮かべるのであった。 
 

 
後書き
ゴテンクスの先制攻撃と奇襲により他宇宙が第6、第11宇宙を除いて壊滅状態。 
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