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ハッピークローバー

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第十一話 合コンその十五

「五割アップしてな」
「それでなの」
「いけるぜ、それだったらな」
「彼氏ゲット出来る?」
「悪い奴は駄目だけれどな」
 それでもというのだ。
「いい人とな」
「一緒になることね」
「そうなれよ」
「そうしてくるわね」
「何度も言うけれどな」
「いい人と付き合うことね」
「自分もいい人になってな」 
 そうしつつというのだ。
「そうしろよ」
「そうするわね」 
 ここでだった。
 留奈はメイクの最終チェックを終えた、そして後片付けに入りつつ兄に応えた。
「これから」
「そういうことでな」
「ええ、しかしメイクって」
「どうした?」
「ナチュラルにしたつもりでも」
 それでもというのだ。
「時間かかるわね」
「そうなんだな、俺はしないからな」
「男の人でもするでしょ」
「俺はしないんだよ」
 雅之自身はというのだ。
「だからな」
「そう言われてもなの」
「どうしてもな」
「わからないのね」
「しないからな」
 だからだというのだ。
「それはな」
「じゃあ仕方ないわね」
「けれど早い人は早いだろ」
「学校で休み時間におトイレですぐにやる娘いるわ」
「だったらな」
 それならというのだ。
「もうそれは人それぞれで慣れもな」
「あるの」
「そうかもな」
「メイクも経験なのね」
「何でもそうでな」
「そうなのね」
「だからこれからもな」
 妹に言った。
「メイクもやっていったらいいさ」
「そうするわね」
「肌も荒れるから程々にもしてな」
「そうしていくわね、じゃあ行って来るわ」
「ああ、頑張って来いよ」
 兄は玄関に向かう妹を笑顔で送り出した、五人は遂に合コンの時を迎えたのだった。


第十一話   完


                  2021・10・23 
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