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ウルフヒーリング

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第二章

「狼や狼犬達とも触れ合ってもらっています」
「アニマルヒーリングですね」
「そうしてもらっています」
「それで狼や狼犬達がいますか」
「大勢。そして狼や狼犬達も」
 その彼等もというのだ。
「人と触れ合ってです」
「過去から解放される様にしていますか」
「彼等もトラウマを持っていますので」
 狼や狼犬達もというのだ。
「ですか」
「彼等の癒しもですか」
「考えていまして」
 それでというのだ。
「お互いにです」
「癒される様にしていますか」
「それがこの施設の目的です」
「退役軍人の人達が癒されて」
「狼や狼犬達もです」
「人も生きものも心があって」
「時には深く傷付くこともあります、ですが彼等はです」
 アニタに真摯な顔で話した。
「助けられるべきとです」
「こちらではお考えですね」
「それでこの施設ではそうもしています、勿論狼や狼犬達も様々なヒアリングを受けています」
 人間達と同じくというのだ。
「そしてトラウマから解放されることを目指しています」
「そうですか、ではこれからも」
「退役軍人の人達とです」
「狼や狼犬達をですね」
「癒していきます、私も過去心の病で苦しんできましたし」
 自分もというのだ。
「その辛さがわかるつもりなので」
「それで、ですか」
「ここで活動しています」
「そうれですか、ではこれからも」
「活動していきます」
「頑張って下さい」 
 アニタはシモンズの言葉をここまで聞いて微笑んだ、そしてだった。
 自ら手を差し出して彼と握手をした、そのうえでこの施設のことをさらに学んだ。そうしてフェンリルと別れを告げてだった。
 ノルウェーに戻った、それからこの施設の様な活動をはじめた。人と生きもの両方のトラウマを癒す活動を。


ウルフヒーリング   完


                  2022・1・28 
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