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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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2-⑺

 私は、誘われていたから、鈴花ちゃんの家に遊びにいくことになった。家の近くまで行くと、鈴花ちゃんの姿が見えた、途中まで迎えに来てくれていたんだ。ピッタリとしたジーンの短パンで底の厚いサンダルだったから、とても、足が長く見えて、私には、羨ましかった。上だって、タンクトップだけで、向こうで手を振っている。

「真珠ちゃん わかったぁー? うち 迷わなかった?」と、案内されたとこは、空地に泥だらけのダンプが1台停まっていて、プレハブの事務所みたいなところだった。

「ごめんね オカンが仕事で出て行ってしまったんで、留守番頼まれたんだ もうすぐ帰って来るから ここ、暑いけどね」

 確かに、スポットクーラーしか置いてなくて、外と変わらない。ゴメンネと言って、鈴花ちゃんは冷たいジュースとタオルを持ってきてくれた。

「うちね みんな 暑さには強いんだ だから、クーラーもよっぽどじゃぁないとつけないんだよ だから、夜なんかも、みんな裸みたいな恰好なんだ」

「そっ そう みんな 元気なんだね 暑くて、我慢できないことってないの?」

「うん 夕方 シャワーして 寝る前にお風呂入るんだ だから、ウチ 長めのパジャマの上だけでパンツもはかないんだ 涼しいよ 必要ないじゃん 人類もともと裸だよ 時々、学校いく時、はくの忘れるけどね ウフッ 内緒やで」

「えー そんなんて なんか こわくない?」

「どうしてー? 外国なんかでも、裸のまんま寝る人もいるよ 気持ちいいんだと思うよ」

「・・・そうかー・・やってみるかなー」

 そのうち、お母さんが帰って来たみたいだけど、トラックから降りてきて、擦り切れたジーンでノースリーブのTシャツ姿にバンダナを頭に巻いていた。

「リン たこ焼き買ってきたから、食べな 真珠ちゃんも」と、ハッキリした声。

「うん オカン もう、部屋に行っていい?」と、別棟に連れて行かれて、鈴花ちゃんの部屋に案内された。

 鈴花ちゃんの部屋ん中は、私と違って、サッパリしていた。女の子らしいものといったら、ベッドに大きなライオンの縫いぐるみがあるだけで、カーテンなんかもレースのものと紺色無地のもの。片隅には、ダンボールの箱が積まれていて、その上には何冊か文庫本が教科書と一緒に積まれていた。机の上はノートパソコンとライトがあるだけ。

「鈴花ちゃん 本 一杯あるね 好きなの?」

「うん かたっぱし読むよ この下も、みんな文庫本 古本なんだけどね」

「小説?」

「何でも 芥川、大江、恩田、湊とか、歴史小説とか詩集もあるし恋愛物もあるし、無いのは、未来を書いたものかなぁー 未来なんて、他人が考えたものってつまらないよ 未来は自分で創るものだからね」

「鈴花ちゃん なんか すごーい そんな感じしなかった」

「普通だよ ウチな 兄弟も親しい友達も居てへんやろう 遊び方知らんねん ううん 真珠ちゃんは別やデー 普通に接してくれたやんかー」

「だけどさー 美咲ちゃんと仲いいんやろー」

「ウン ウチなぁ 4年の時越してきたんやけど、美咲ちゃんが直ぐに近くやし、友達になってくれたんやー あの娘 優しいんや だから、ウチに反発とかせぇへんのやー 最近な なんか、無理してんのちゃうなかって思うんよ でも、感謝してるよ」 

「ウチも美咲ちゃんは、優しいし好きだよ」

「真珠ちゃんも優しいよ でも、だけじゃぁ無くって、はっきり言うもんね そんなとこ、ウチは好きやねん」

「ウチは、なんか怖いから嫌いだよ でも、スカッとしているから、鈴花ちゃんのこと好きだよ」 







 
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