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ハッピークローバー

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第十一話 合コンその四

「お付き合いしたいわ」
「普通位か」
「太り方でもね」
「アメリカだと太ってる人は出世しないって言うがな」
「あそこまで太ってたら命にもでしょ」
「それじゃあな」
「出世というか」
 それ以前にというのだ。
「お仕事もね」
「満足に出来ないな」
「身体が動かないから」
 あまりにも太り過ぎてというのだ。
「充分にね」
「それで健康を損なってな」
「命の危険もあるってなると」
「出世以前だよな」
「もうね」
「俺は最初この話を聞いてやり過ぎだろって思ったよ」
 兄は妹に話した。
「幾ら何でもな」
「太ってるだけで出世出来ないって」
「幾ら何でもな、けれどな」
「太り方がよね」
「冗談抜きで力士さんよりもでな」
「お腹の脂肪が膝までいく位だったら」
「本当にやばいからな」
 そう思ってというのだ。
「それも当然だってな」
「太り過ぎだから」
「それじゃあ仕方ないさ」
「出世以前だからね」
「流石にな」
「私もね」
 鏡を使って左頬をチェックしつつ兄に話した。
「あそこまでの肥満となると」
「やばいって思うな」
「絶対にね」
「太るにしても限度があって」
「命に係わる位になるとな」
「まずいわよ、ただ痩せ過ぎもよね」
「よくないぞ」
 兄は即答で返した。
「太り過ぎと同じだけな」
「そうよね」
「太り過ぎも死ぬがな」
「痩せ過ぎもね」
「死ぬからな」
「拒食症になったりしてね」
「太り過ぎの人よりやばい場合もあるんだ」
 拒食症で痩せている人はというのだ。
「例えば失恋とかいじめで太ってるとか言われてな」
「痩せようと思って食べなくなって」
「これはもうトラウマだからな」
「心の傷は難しいのよね」
「だからな」
 それでというのだ。
「食べろって言ってもな」
「食べなくてね」
「二度と傷付きたくない、だから食べない」
「そうなっていて」
「痩せれば痩せる方がいいとさえ思い込んでな」
「食べないのよね」
「そうなってな」
 トラウマでそうなってというのだ。
「骨と皮ばかりになってもな」
「まだ食べないのよね」
「そうなったら本当にまずい」
 兄の言葉は真顔でのものだった。 
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