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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0038話

「T-LINKシステムが完成した!?」

 半月ぶりにテスラ研から戻ってきたレモンに研究室へと呼び出された俺は、唐突にT-LINKシステムの完成を知らされた。
 このエクアドル基地が稼働してから3ヶ月。つまりレモンは基地稼働直後に俺とヴィンデル、レモンの3人で相談した時に言ってた通り、それ程苦労せずにT-LINKシステムを完成させてしまったのだ。
 さすがに得意気なレモンの顔を呆然と見つつ、その才能に舌を巻く。

「テスラ研の技術も流用したから、特脳研にあったものよりも性能はアップしている筈よ。もっとも取り付けと調整に数日掛かると思うからすぐに使うのは無理だけど」
「と言うか、この前の通信でそろそろアギュイエウスの開発も終盤に入ったって言ってなかったか? 良くT-LINKシステムの開発をする時間があったな」
「私の担当はもう殆ど終わってるから、問題ないのよ」
「なるほど。で、T-LINKシステムは具体的にどういう風になるんだ?」

 俺の言葉にレモンがコンピュータを操作し、モニタにグロウセイヴァーの設計図を映し出す。

「まず、念動フィールドが発動すればある程度のダメージは無効化出来るようになる筈よ」
「発動すれば?」
「特脳研の資料によると、パイロットのやる気やテンションによっては発動しない事もあるらしいわ」

 やる気やテンション? ……スパロボのシステムでいう気力の事か。

「なるほど、その辺は実際にグロウセイヴァーに設置してから試してみる必要があるな」
「ええ、お願い。で、次だけど機体制御もT-LINKシステムを使用する事によってより反応速度が高くなってる筈よ。機体の追従性も同じく上がってると思うわ。この機体制御関係は一種の念動力を使った脳波コントロールシステムね」
「脳波コントロールシステム? だが、グロウセイヴァーも脳波を使うシステムを採用していなかったか? 競合して不具合を起こす可能性は無いのか?」
「グロウセイヴァーはアシュセイヴァーで採用していた脳波のフィードバックシステムを全てT-LINKシステムと取り替える事になるわ。ただ、機体の反応速度は間違いなく上がる筈よ。誤解されるのを承知の上で言わせてもらえば、T-LINKシステムは脳波フィードバックシステムの上位互換と言ってもいいでしょうね」

 何と言うか、アシュセイヴァーの特徴の1つである脳波のフィードバックシステムまでなくなるとなると、外見はともかく中身は完全にオリジナルの機体になったと思っても構わないんじゃないだろうか。

「それとクロノスに追加装備されたソードブレイカーだけど、T-LINKシステムのおかげで負担は軽くなってる筈よ。それにこちらは現在まだ開発中だけど、より小型・高性能のT-LINK対応型ソードブレイカーを開発中だから期待してくれてていいわ」

 T-LINK対応型ソードブレイカーって。それはR-3のストライクシールドとどう違うんだ? いや、テスラ研の技術を流用しているとレモンが言っている以上ストライクシールドよりも性能が落ちるという事はないと思うが。

「あ、それと機体制御のT-LINKシステムに関連してだけど、特脳研からの資料にあった『思念の増幅度次第では、触感に近い第六感が広範囲にわたって展開され、空間内に存在する敵機の捕捉も可能となる』というのを採用しているからT-LINKシステムの稼働率によってはソードブレイカーの操作が今までよりも楽になるかもしれないわね」
「なるほど、それはありがたいな」

 現在のグロウセイヴァーが装備しているソードブレイカーは合計14機。中でも俺が使いこなせているのは10機前後となっている。
 その辺の操作が楽になってくれるというのは非常にありがたい。

「それにしても、T-LINKシステムは凄い事は凄いんだけど色々と問題もあるわね」
「問題?」
「そう。機体制御からバリア、武装にも応用出来るT-LINKシステムだけどまだまだ発展途上の技術の為かパイロット任せの部分が多いのよ。さっきも言ったけど、パイロットのテンション次第で発動出来たり出来なかったりするバリアなんてその最たるものよ」
「しょうがないさ。念動能力者自体が稀少なんだし、その分それを利用したシステムの開発が遅れてもおかしくない」
「そう考えると極東基地にあるT-LINKシステムを使用した機体の特殊部隊というのは凄いわね。どうやって多数の念動能力者を集めたのかしら?」

 レモンの言葉に、脳裏をよぎるのは特脳研の所長室にあったアヤの脳みそだ。
 あの点を考えると、原作のあちらの世界とは違い色々と後ろ暗い手段を取って念動力の素質がある者を探している可能性は高いだろう。

「T-LINKシステムについてはこんな所ね」
「機体制御はともかく、バリアなんかはあるのとないのとでは大違いだからな。その辺は助かる」
「でも、アクセルの戦い方は防御よりも回避がメインでしょ? その為にクロノスを開発した時に追加ブースターを積み込んだんだし」
「確かにそうだが、幾ら何でも全ての攻撃を完璧に回避出来る訳でもないからな。いざという時に頼れるものがあるというのは正直ありがたい」

 応接セットのテーブルの上に置かれた紅茶を飲みながら、レモンとの会話を続ける。
 内容は別にそれ程重要なものではない。単なるありふれた雑談だ。
 だが、ここの所色々とあっただけに有意義な時間ではあった。
 そうした会話を初めて30分くらいたった事だろうか。レモンが不意に話題を変えてきた。

「アクセル、貴男Wシリーズについてどう思う?」
「うん? Wシリーズについて、か? そうだな、完成したらこの忙しさが解消されるんなら早い所完成して欲しいってくらいか」

 俺の言葉が予想と違っていたのか、意表を突かれた表情のレモン。

「そうじゃなくて。人造人間なのよ? その辺に特に思う事はないの?」
「特には無いな。人造人間だろうか、生まれた以上は1つの生命だろう? もっとも個人としての人格があるのが大前提だが」

 個人としての人格がない人造人間はそれこそこちらの命令をただこなすロボットとそう大差ない。
 もっとも、そのロボットが量産型Wになるんだろうが。

「1つの生命?」
「我思う、故に我有り」
「デカルト?」
「ま、そこまで難しく考えなくてもいいんじゃないのか? 人造人間だろうが何だろうが、お前が産み出したんだからお前の子供みたいなものだろ」
「そう、ありがとう。貴男になら、いつか本当の事を言えるかもしれないわね」

 感謝の言葉を聞こえるように言い、最後の言葉を口の中だけで呟くレモン。
 ただ、その言葉は常人よりも五感の鋭い俺には聞こえている。
 今の言葉を聞くにどうやら自分がWナンバーズの技術を使って蘇生された事を気にしているらしい。
 あるいは、レモン・ブロウニングではなく生前のエクセレン・ブロウニングの事を気にしているのかもしれない。
 取りあえずこの話題は変えた方がよさそうだと判断し、少し前から気になっていた事を提案してみる。

「レモン、話を変えるが今回の事でT-LINKシステムに関しては一段落したと考えていいんだよな?」
「ええ、そうね。T-LINK対応型のソードブレイカーの開発は残っているけど大体は終わったと考えていいわよ」
「それなら、幾つか開発を検討してもらいたいのがあるんだが構わないか?」
「あら? アクセルからお願いしてくるのは珍しいわね。何かしら?」
「以前フェル博士から聞いたんだが、高性能ECMで発生させた球状フィールドの表面に沿って電磁波を屈曲させる、というやり方があるらしい。これが上手く行けばレーダーに電磁波が返されなくなる」

 もちろんフェル博士から聞いたと言うのは嘘だ。本来ならあちらの世界でノイエDCが開発する高性能ECMのASRS。
 これがあれば敵のレーダーに引っかからずに奇襲攻撃が出来る。
 原作でもノイエDCのASRSに連邦軍は手を焼かされていたし、是非欲しい技術だ。
 俺の説明を聞きつつも、難しい顔をするレモン。

「ちょっと難しいかもしれないわね。球状フィールドを高性能ECMで発生させるというのは面白い発想だけど、そもそもその高性能ECMを開発するのにどれくらい時間が掛かるか分からないわ。一応研究はしてみるけど、もし開発するにしても時間が掛かるというのは覚悟しておいて」

 時間が掛かる、か。
 しょうがない。レモンだって何でも出来るという訳でもないのだし。

「時間が掛かるのはしょうがないか。その辺は無理しない程度に開発してくれれば構わない。で、もう1つだが俺達の母艦を開発してくれないか?」
「母艦? 今使っているレイディバードじゃ駄目なの?」
「レイディバードは基本的に輸送機だから、武装が殆ど無い。そうなると、出撃する時には必ず護衛が残らなきゃいけなくなる。前線からすぐに下げるならそれでも構わないが、そうするといらない所で時間を取られる事になる可能性がある」
「母艦、ねぇ」
「目安としては、スペースノア級万能戦闘母艦を参考にして貰えると助かる」
「ちょっと、幾ら何でもスペースノア級を建造するのは無理よ? そんな予算どこにもないわ」
「だから、あくまでも参考にだよ。出来ればスペースノア級の戦闘力が欲しいが、それが無理な場合は……そうだな。ステルス性能を重視してくれればいい。もちろんある程度の武装は必要だろうが」
「ステルス?」
「ああ。レイディバードのように後ろに下がるんじゃなくて、敵に見つからないように隠れる事が出来れば安心して出撃できる」

 ふむ、と何かを考え込むレモン。
 恐らく開発に掛かる期間や技術、労力なんかを頭の中で計算しているのだろう。

「ちなみに、その母艦には他にどんなスペックを希望するの?」

 原作のトライロバイト級のスペックを思い出す。

「まずステルスが最重要なのは先に言った通りだな。他には特殊部隊の性質上どこに派遣されるか分からないから、宇宙・空中・水中での行動が可能な万能母艦である事が望ましい。後、これもうちの特色だが人数がそれ程多くないから艦内の無人防衛システムは重要視して欲しい。武装に関しては、こちらも先に言った通りある程度で十分だと思うが、それでもレイディバードとは違って自衛出来る程度は欲しい。それに折角ステルス搭載艦なんだし、基本的には隠れているだけでもいざという時にはステルス状態からドカンというのもありだな」

 俺の話を聞きながら、頷くレモン。

「じゃあまとめるわね。ステルスと艦内の無人防衛システム重視で、宇宙・空中・水中で行動可能。武装はスペースノア級とまではいかなくてもそこそこのものが希望。……以上でいいかしら?」
「ああ、それで頼む」
「母艦の開発となると私と貴男の権限だけじゃ無理だから、ヴィンデルにも話を通すけど構わないわよね?」

 レモンの問いに頷いて答える。
 原作ではトライロバイト級がいつから建造を始めたのかは分からないが、こちらでは既に原作ブレイクしまくっている為に下手をしたら建造されない可能性もある。だからこそ今のうちに開発を進めておくべきだろう。

「じゃあ、早速ヴィンデルから許可を貰ってくるけど、もちろんアクセルも付いてきてくれるのわよね?」
「了解」

 レモンに頷き、2人そろって研究室を出る。

「そういえば、アギュイエウスの開発も終盤でレモンのやる事は殆どないと言っていたが、なら完成も近いのか?」

 このまま黙って廊下を歩くのもなんなので、少し気になっていた事を尋ねてみる。

「ええ、後は微調整が殆どね」
「じゃあ、転移実験もそろそろ目処がついてきたのか?」
「そうなるわね。恐らく後3~4ヶ月くらいだと思うわ」

 そうか、ギリアムがあちらの世界に転移するのは後3~4ヶ月か。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:13
PP:85
格闘:158
射撃:176
技量:168
防御:165
回避:193
命中:215
SP:246
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   ???
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
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    ???
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撃墜数:21 
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