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遺産は前借り

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第二章

「いいよ、子供達もいい車だって言ってるしね」
「私はインテリア好きだけれど」
 園子も言ってきた。
「やっぱり自分の家のお金の範囲でね」
「やっていってるな」
「そうしてるわ」
 こう長兄に話した。
「旦那もお金残るならってね」
「言ってるんだな」
「娘もインテリア気に入ってるしね」
「うちの息子ピアノ好きで習わしてるけれど」
 舞子も話した。
「ピアノ買ったりレッスン料でお金かかっても」
「家の金の範囲でだな」
「やっててね」
「いいんだな」
「何かこれ位でいいってね」 
 その様にというのだ。
「自然とストッパーかかって」
「そうなんだな、俺も釣り好きだけれど」
 幸一も話した。
「いい釣り道具が高くても」
「遺産をあてにしないならね」
「やっぱり歯止めが利いてな」 
 こう園子に話した。
「使わないな」
「沢山遺産があっても」
「お父さんみたいに前借りでね」
「助けるにしてもそこから出すってなったらね」
「使わないな、親父もいいこと考えたよ」
 幸一は弟や妹達に話した、兎角だった。 
 四人は遺産をあらかじめ決められて援助もそこから出されるとなってそれぞれの趣味や家庭のことで金を節度を持って使った、そして。
 そのうえでだ、父が亡くなってもだった。
 四人は落ち着いてそれぞれ遺産を受け取った、それで四人で話した。
「じゃあこれからもな」
「親父の遺産を受け取ったけれど」
「節度を持ってね」
「使っていこう」 
 こう話した。
「お父さんはそう言いたかったのね」
「遺産はあてにしないで節度を持って使え」
「親として教えてくれたね」
「それならその教えを守っていこうな」
 四人でこう話してだ、それからも金は節度を持って使っていった。そのうえで四人で父が残した会社で働きその田畑や山やマンションを守っていった。


遺産は前借り   完


                2022・1・22 
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