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ハッピークローバー

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第十話 性欲は誰にもその六

「同性愛で死刑と神罰とかね」
「やり過ぎよね」
「そうなることかしら」
「日本人にはわからないわね」
「ちょっと以上にね」
「というかね」
 富美子はここでかな恵を見て彼女に言った。
「かな恵の胸ならね」
「女の子でも好きになるの?」
「なるわよ」
 それこそというのだ。
「そうした娘出るわよ、しかもかな恵顔もいいし女子力も高いし」
「お姉さんって感じよね」
 一華も腕を組んで言った。
「だったらね」
「母性を感じてね」
「女の子でもね」
「好きになるわね」 
 富美子と留奈、理虹も話した。
「かな恵って」
「そうよね」
「もう彼氏さんいるけれど」
「女の子にももてるわね」
 一華はまた言った。
「私達にその趣味はなくても」
「そうなの?」
「そう思うわ、ただね」
 ここでこうもだ、一華はかな恵に言った。
「今度の合コン男の子だから」
「そう、女の子は私達でね」
「それじゃあ女の子同士はないわね」
「最初からね」
「そうよね」
「うん、あと校則読んだら」
 かな恵はこちらの話もした。
「不純異性交遊は禁止されてるけれど」
「それどの学校でもそうでしょ」
 一華はこう返した。
「そんなのいいって言ってる学校なんてね」
「ないわよね」
「大抵ね、まあ校則なんて誰も護らない学校もあるけれど」
「あるわね」
 実際にとだ、かな恵も答えた。
「所謂最底辺のドキュン高校」
「そうしたところだとね」
「校則なんてね」
「最初から誰も読まないレベルよね」
「授業だってまともに受けないでしょうし」
「そうした学校は」
「ええ、それで校則読んでたら」 
 かな恵はあらためて言った。
「不純同性交遊はないのよ」
「同性愛についてはなの」
「一切ね」
 書いていないというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「読んでみたら」
「そうだったの」
「だから女の子同士で何をしてもね」
「いいのね」
「そうみたいよ」
 こう言うのだった。
「少なくとも校則だとね」
「同性愛はいいの」
「それで何してもね」
「キスとか」
「もっといやらしいことしてもね」
 それでもというのだ。
「いいみたいよ」
「そうなのね」
「不思議なことにね」
「不思議って言ったら不思議ね」
 一華も言われて頷いた。 
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