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ハッピークローバー

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第十話 性欲は誰にもその三

「出来たりってね」
「あるから」
「何処でもね、それでね」
「隠されるのね」
「そうじゃないかしら」
「それで私達も知らないの」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「若しかしたら」
「そういうことはちょっと」 
 理虹はかなり引いた顔で言った。
「勘弁して欲しいわ」
「出来るとかは」
「滅茶苦茶ヘビーなお話じゃない」
「どうしてもね」
「出来るとかね」
「それでどうするか」
「十四歳の母ってドラマあったけれど」
 理虹はこのドラマの話も出した。
「大昔に」
「大体私達が生まれた頃だったかしら」
「その前じゃない?」
「まあ兎に角昔ね」
「かなりね」
「その頃のドラマだったわね」
「十五歳でも同じよ」
 十四歳と、というのだ。
「一歳位じゃない」
「そうよね」
「十五歳でお母さんになるとか」
「ちょっとね」
「勘弁して欲しいわ」
 こう言うのだった。
「やっぱり」
「それ私もよ」
 かな恵も行った。
「だから成海っちともね」
「そういうことしてないのね」
「手はつなぐけれど」
 それでもというのだ。
「そこから先はね」
「してないのね」
「全然」  
 何一つ、そうした返事だった。
「キスもね」
「そうなの」
「成海っちも奥手だし」
「それであんたもで」
「それでね」
「まだ手をつなぐだけなのね」
「そうなの、高校を卒業したら」
 それからはというのだ。
「もういいかなって思うけれど」
「そこから先は」
「まあキスも」
 これもというのだ。
「いいと思うけれど」
「そこから先は」
「ちょっとね」
 どうにもという顔での言葉だった。
「私も」
「高校卒業してからなのね」
「それからはいいと思うけれど」
「高校生の間は」
「早いわよね」
「やっぱりね」
「十五歳で子供産むのは」
 これはというのだ。
「昔のお話で」
「今はね」
「流石にね」
「昔はあれでしょ」
 留奈は眉を曇らせて言った。
「十三歳で結婚してたし」
「中一か中二ね」 
 かな恵は今の学年に当て嵌めて言った。 
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