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第十話 性欲は誰にもその一

         第十話  性欲は誰にも
 かな恵は学校で成海との話のことを話した、すると最初に留奈が言った。
「うちのお兄ちゃんもね」
「やっぱり?」
「部屋に入る前にね」
 兄のそこにというのだ。
「ノックしろってね」
「言ってるのね」
「それで入ったら」
 その時のことも話した。
「お互い言わないけれど」
「まさかと思うけれど」
「そのまさかよ、臭い時がね」
 留奈はどう臭いかを言わずに言った。
「あるわ」
「そうなのね」
「多分明男ちゃんもでしょ」
「いや、あの子どうも消臭してるらしくて」
 それでとだ、かな恵は留奈に話した。
「それでね」
「匂いはなの」
「しないの」 
 彼の部屋はというのだ。
「特にね」
「そうなの」
「ええ、それがね」
「まあそうしたらね」
 消臭したらとだ、留奈は言った。
「わかりにくいわね」
「そうよね」
「ただゴミ箱見たら」
「ティッシュ?」
「それがあるからね」
「わかるのね」
「やっぱり男の子は」
 どうしてもというのだ。
「そうしたことはね」
「するのね」
「しない子なんてね」
 それこそというのだ。
「いないでしょ」
「一人も?」
「それはね、彼女さんいたらね」
「彼女さんと」
「そうして」
 それでというのだ。
「すっきりしてね」
「いないとなのね」
「いてもちょっと会えないと」
 その時はというのだ。
「やっぱりね」
「そうするのね」
「むしろそうするのがね」 
 その方がというのだ。
「正常でしょ」
「男の子は」
「そうでしょ」
「そういえば」
 ここで理虹が言った。
「好色一代男の主人公十五歳で子供作ってるわ」
「私達と同じで」
「そう、同じ歳でね」
 こうかな恵に答えた。
「最初の子供をね」
「流石好色一代男ね」
「結末は美女ばかりの島に行くけれど」
 物語はそこで終わりとなっている。
「六十歳でね」
「それまでずっと女の人ばかりなのね」
「美少年もあるわよ」
「ああ、昔はそっちも普通だったわね」
「織田信長さんでもね、それでね」
「あの作品の主人公は」
「美少年もで最初の子供は」
 それをもうけた時はというのだ。 
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