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星河の覇皇

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第七十九部第五章 勝利の予感その二十六

「我々には殆ど関係ないですが」
「サハラのことですか」
「はい、また会戦がはじまろうとしています」
 李は伊東に応えて述べた。
「三度目の会戦です」
「オムダーマンとティムールのですね」
「さて、どうなるか」
「先にティムールで災害が起きましたが」
「隕石の後で津波とは」
 グリーニスキーがその災害のことを述べた。
「サマルカンド星系も運がないですね」
「全く以てそうですね」
「しかしシャイターン主席は」
 グリーニスキーはさらに述べた。
「戦場を選ばれましたか」
「その様ですね」
「旗はあちらの旗艦にあります」
 マックリーフと李も述べた。
「ではですね」
「アッディーン大統領とシャイターン主席の直接対決ですね」
「三度目の」
「それがはじまりますね」
「そうですね、これが政治家の判断なら」
 伊東は米中の首脳に述べた。
「間違いなくです」
「サマルカンドに戻っていますね」
「間違いなく」
「私ならそうしています」
「私もです」
「若しそうしなければ」
 どうかとだ、グリーニスキーも述べる。
「政治家として、国家元首として」
「失格ですね」
「はい、若しもです」 
 まさにというのだ。
「ここで戦場を選べば」
「戦闘を」
「それは政治家、特に国家元首としては」
「してはならない判断です」
「こうした時はすぐにです」
 グリーニスキーはさらに述べた。
「電送機を使ってでもです」
「被災地に行って」
「そのうえで災害救助の陣頭指揮に取り掛かる」
「そうしますね」
「それが政治家です」
 そして国家元首だというのだ。
「その務めです」
「しかも作業服を着て」
「あちらでは軍服になりますが」
 このことはシャイターンだけでなくアッディーンも同じだ、そもそも彼等は最初から軍服を着ている。
「しかしです」
「それでもですね」
「服の違いはあれど」
「政治家ならば」
「ここは即座にです」 
 まさに躊躇せずにというのだ。
「被災地に急行します」
「それが筋ですね」
「全く以て」
「ですがこれが軍人なら」
 伊東はこの職業の場合のこうした状況での判断を述べた。
「戦場に残り」
「そのうえで、ですね」
「戦います」
「そうなりますね」
「軍人ならば」
 伊東はこのことを強調してだ、グリーニスキーだけでなくマックリーフと李に対しても知的な声で話した。
「そうします」
「シャイターン主席はどちらか」
 李が言ってきた。 
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