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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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招かれし者(西村早苗)
  ここはどこ?

背中が床に着いている感触があるにも関わらず、ものすごいスピードで落ちていく感覚がした。そしていくつもの目に見られているような、睨まれているような気がした。



ーー
ーーー


翌朝。
早苗が目覚めると、いつもと何ら変わらない自分の家にいた。


早苗(あれは何やったとかいな?)


不思議に思いながらも服を着替え、近くの公園まで散歩に行こうと思い必要なものを持って家を出る。
ドアに鍵を掛け、振り向くとそこはいつも目の前に見える大学の体育館ではなく、別の光景が広がっていた。

鬱蒼と茂った樹木。あちこちにキノコらしきものが生えていて胞子を飛ばしており、そのせいか何やら頭が痛い。


早苗(何これ?変な形のキノコやね…。)


早苗は後ろを振り向いたがすでにドアは消えており、代わりになにやら家らしきものが見えたのでその家の住人に事情を聞くことにした。


早苗「すみません、どなたかいらっしゃいませんかー!?」


するとややあって応答があり、ガタゴトと物をかき分けるような音がした。

『きっとここの住人は片付けが苦手なんやろね…。』
早苗がそう思ったそのとき、目の前のドアが開いた。


?「むっ、お前は誰だ?」


出てきたのは、金髪の魔法使いらしき少女だった。



ーー
ーーー


早苗「ーーーというわけなんです」


ここは先ほどの魔法使いの少女の家の中。怪しげな粉が入った瓶や大量の本などが所狭しと置かれている。
少女は霧雨魔理沙《きりさめ‐まりさ》と名乗った。何でも屋をする一方でここ、幻想郷《げんそうきょう》で頻発する「異変」を解決しているのだという。


魔理沙「なあ、ここに来る途中で何か奇妙なことは起こらなかったか?」

早苗「奇妙なこと、ですか?」

魔理沙「ああ。それと私に敬語は使わなくていい。堅苦しい感じがして苦手なんだよ」

早苗「確かにね。……あっ!」

魔理沙「なんだ、何か思い出したのか?」


早苗は夢で体験した不思議な出来事を魔理沙に話した。


魔理沙「やはり紫が犯人か…」


魔理沙の話しによれば、幻想郷に八雲紫《やくも‐ゆかり》という妖怪がいるらしい。彼女が時折「境界を操る程度の能力」という能力を用いて現実世界(外の世界=外界《がいかい》)と幻想郷の境界を弄り、外界人を幻想郷に連れてくることがあるということだった。

また、幻想郷には「博麗大結界」という強固な結界が張り巡らされていて外界との行き来はまず不可能だそうだ。幻想郷はその名が示すように“幻想の郷“であり外界からは見えないためか外界人はその現象を「神隠し」と呼び、たとえ神隠しに遭った者を捜索したとしても未解決事件として捜索が打ち切られる場合がほとんどらしい。

早苗はそれに巻き込まれた可能性が高い、というのが魔理沙の見解だった。



ーー
ーーー


しばらくして、魔理沙がふと思い出したように言った。


魔理沙「それはそうと腹が減ったな。早苗も朝飯食べていくか?」

早苗「えっ、よかと(いいの)⁉︎」

魔理沙「ああ、もちろんだぜ!」




ーーー早苗は魔理沙に対してまだ少し抵抗感はあったものの、せっかくなのでお相伴にあずかることにした。
 
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