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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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招かれし者(松上敏久)
  弾幕勝負!?

博麗神社の上空。そこに霊夢と敏久が対峙していた。
(※話しの都合上、敏久は空を飛べるようになっています。)


霊夢「それじゃあ始めるわよ。ルールは各自3回被弾するか、手持ちのスペルカード(以下:スペカ)が無くなったら終了。それでいいわね?」

敏久「おう!」

霊夢「それじゃあ始め!」


霊夢が開始を宣言したと同時に敏久は霊夢から距離を置く。
だが、それも無駄なことだった。


敏久「おおう、いきなりホーミング弾かいや!」


霊夢から投げられる札は直線上に飛んでいくが、その横にある陰陽玉《いんようぎょく》から放たれる白い小さな弾幕が敏久をどこまでも追ってくる。
黄緑色の弾幕(以下:梨)を撃って相殺するものの、全てを撃ち落とすにはあまりにも数が多い。


敏久「間違ってもこの学生服には当てられんからな…。ええくそ仕方ない、スペル発動!」


敏久は思いきってスペル発動を試みた。




~飛燕「牛若丸」~




そのとたん、敏久の姿が消えた。


霊夢「……逃げた?」


霊夢が辺りを見回していると、殴られたり蹴られたりしたときに感じる鈍い痛みがした。それも一発ではない。何十発も、である。
やがて、先ほどまで姿が見えなかった敏久が姿を現した。


敏久「悪いな霊夢。先手は打たせてもらったぜ」

霊夢「それはどういう意味?」

敏久「じきに分かるさ。飛燕『牛若丸』、スペルブレイク!」




ピチューン♪×2




被弾したことを知らせる音が2回立て続けに鳴った。


霊夢「……嘘!私、いつの間に被弾していたの?」

敏久「さっきのスペルは瞬発力を一時的に上げて相手に打撃を与える技さ。打撃といっても、スペルブレイク時にそれが被弾したときの衝撃に変わるけえ痛みはほとんどないがな。キックやパンチ1回が弾幕0.5発分に相当するけえ、かなりのダメージを与えられるで」

霊夢「それでさっき2回被弾音がしたのね」

敏久「そういうことだ…。だが、俺にもそれ相当のダメージがくる」

霊夢「へ?」




ピチューン♪




敏久「くっ…。これはいわゆるラストスペル的なものなんだ。……さあ、続きを始めようか」

霊夢「え、ええ…」


二人は再び戦闘体勢に入った。


霊夢「次は私の番よ!」




~霊符「夢想封印・散」~




霊夢の背後に七色の陰陽玉が現れ、それから大量のお札や陰陽玉が四方八方にばら蒔かれる。
ちなみに作者が霊夢で最も好きなスペルでもある。


敏久(東方(原作)やっててよかったぜ…。)


敏久はゲームで散々このスペルの避け方を研究してきたので避けるのは容易《たやす》かった。少し動いて避ける、いわゆる「ちょん避け」で対処していく。
ちなみにこの間も敏久は梨や白い野球ボールほどの大きさの弾幕(以下:雪玉)を撃ち続けている。

そのうち時間が経ち、霊夢のスペルがブレイクされた。その瞬間を敏久は見逃さなかった。


敏久「今だ!」




~傘舞「因幡(いなば)の傘踊り」~




敏久がスペルを発動すると霊夢の前にたくさんの唐傘が開いた状態で出現した。唐傘には鈴や金や銀のぴらぴらした飾りがいくつも吊るされており、さらには敏久も同じものを一本持っている。まさに豪華絢爛《ごうかけんらん》という言葉がぴったりだろう。

敏久が持っている傘をクルクル回すと他の傘も同様に回り始め、金銀の飾りから黄金色の弾幕が大量に発射された。


霊夢(くっ、なかなかこれは辛いわね。ここは一旦ボムで逃げきって……ああもう、しゃんしゃん鳴る鈴の音で集中できない!)


霊夢がそんなことを考えていると水色をした特大サイズの弾幕が飛んできた。敏久が持っている傘から放たれたものである。当然、さっきまで必死に打開策を考えていた霊夢に避ける術はない。


霊夢「なっ…!」




ピチューン♪




霊夢は被弾し、弾幕ごっこの勝敗は敏久に軍配が揚がった。



ーー
ーーー


敏久「おーい、大丈夫か?」


心配した敏久が霊夢に手を貸す。霊夢は一瞬ドキッとなった。


霊夢「大丈夫よ…// それより、さっきのスペルは何?」


敏久「ああ。“因幡の傘踊り”は敵の周りに装飾を施した唐傘を出現させて退路を断ち、その傘から一気に弾幕を放つ技だ。俺が持っていたあの傘だけは超大玉の弾幕を放つことができてな、さらに傘に吊るされた100個近い鈴の音で相手の集中力を削ぐ。“敵を殲滅させるタイプのスペル”といった感じかな」

霊夢「へえ…。それにしても強いのね。見事だったわ」

敏久「そいつはどうも」


しばらくして霊夢の顔が真っ青になった。


霊夢「敏久、手…」

敏久「あ?」


見ると手から出血していた。気づかぬうちにかすっていたらしい。かなりの量の血が出ている。
だが当の本人は落ち着いていた。


敏久「こんなこともあろうかと用意しておいて良かった。スペル発動!」




~療養「ナイチンゲール」~




敏久が白い光に包まれる。
光が消えた頃には嘘のように手の傷が治っていた。


霊夢「なるほど。それは回復系のスペルなのね」

敏久「昔から言うだろ?“備えあれば憂いなし”ってな」

霊夢「抜け目ないのね…。さて、そろそろお昼ご飯にしましょうか」

敏久「ああ、そうしよう」




ーーー二人は社殿に入っていった。 
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