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星河の覇皇

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第七十九部第五章 勝利の予感その十二

「そうすべきよ、けれど政治家としては」
「救助、復興にあたるべきですね」
「絶対に」
「この度は」
「何があっても」
「そうよ、何があろうともね」
 この場合の何があろうとも、とは戦争であってもだ。政治家そして国家元首ならば現地に行って視察し救助と復興の為に動かねばならないというのだ。
「行かないといけないわ」
「真逆ですね、軍人と政治家で」
「この場合の決断は」
「軍人は残り政治家は向かう」
「そうなりますね」
「そうよ、そしてこの場合の正しい決断は」
 伊東が政治家、日本の首相として考えるそれはというと。
「残るべきよ」
「軍人としての選択ですか」
「それを果たすべきですか」
「この場合は」
「そうなのですね」
「そうよ、アッディ―ン大統領は強敵よ」
 ティムールそしてシャイターンから見てだ。
「互角の戦力で戦えるのはね」
「それこそですね」
「シャイターン主席のみですね」
「あの方と戦えるのは」
「今のティムールでは」
「そうよ、そこで彼が戦場を離れれば」
 その選択を選んだ時はというと。
「もうね」
「ティムール軍は敗れますね」
「如何に将帥がいようとも」
「アッディーン大統領には勝てない」
「だからですね」
「そうよ、勝つことはね」
 まさにというのだ。
「出来ないわ」
「左様ですね」
「それではですね」
「この場合はですね」
「シャイターン主席は残るべきですね」
「軍人としてね、旗を見る限り残った様だから」
 伊東はこう見ていた、若し彼女にかなりの軍事センスが備わっていればティムール軍の動きから察したがやはりそこは生粋の文民だった。
 そこまではわからない、それでこういうのだった。
「軍人として判断したみたいね」
「被災地には戻られていませんか」
「そして戦われていますか」
「このまま」
「そうですか」
「ええ、ただ国力を考えると」
 伊東はまた両国の国力差を考えてから話した。
「どうしてもね」
「オムダーマン有利ですね」
「そのことは否定出来ないですね」
「それはどうしてもですね」
「覆せないですね」
「そうよ、それで私はシャイターン主席が判断ミスを犯さなくても」
 それでもというのだ。
「オムダーマン有利でね」
「サハラはオムダーマンが統一する」
「そうなるというのですね」
「では、ですね」
「これからは」
「あの国が統一してね」 
 そうしてというのだ。
「発展させるわ、ただね」
「連合に影響は、ですね」
「及びませんね」
「我々に対しては」
「それは殆どありませんね」
「新聞で一面になるでしょうけれど」 
 それ程のニュースにはなろうともというのだ。 
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