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ハッピークローバー

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第九話 合コンの前にその十

「そうみたいね」
「だからね」
 一華はさらに言った。
「母を訪ねて三千里でもね」
「主人公イタリアからアルゼンチンに行ってるわね」
「長旅して」
 文字通りに三千里もの距離をだ。
「イタリア人でね」
「スペイン語のアルゼンチンに行ってもね」
「やり取り出来る位にね」
「言葉通じるのよね」
「けれど」
 それがとだ、理虹は語った。
「バスク語ってね」
「また違うみたいね」
「日本語みたいに」
「他の国の言葉と違うってね」
 富美子はまちるだの話を思い出して言った。
「言われてるわね」
「そうみたいね」
「どう違うのか私達にはわからないけれど」
「そうみたいね」
「というかバスクの人ってラテン系と違うのかしら」
 ここで富美子はこう思った。
「どうなのかしら」
「一緒じゃないの?」
 理虹は首を傾げさせつつ言った。
「同じ人間だし」
「そうよね」
「基本スペイン語喋ってるしね」
「それじゃあね」
「やっぱり同じ人間だし」
「違うとはね」
「思えないわよね」
 こうした話にもなった。
「だからマチルダも努力してね」
「成績学年トップで」
「特進科に入って」
「あっちでも頑張ってるのよね」
「というか」
 留奈はこう言った。
「性格がよかったらね」
「別に彼氏がどの人でもいいわね」
「そうよね」
「国が何処でも」
「人種がどうでもね」
「まあややこしい宗教は無理だけれど」
 交際出来ないというのだ。
「どうしてもね」
「あれするなこれするなとか」
「交際にも改宗が必要とか言ったら」
「無理だけれどね」
 富美子もこう言った。
「流石にね」
「無理けれど」
「そうでもないとね」
「性格次第よね」
「相手の子のね」
 こう話したのだった、テストが終わって。そしてかな恵は学校から帰ってから夕食の後に成海にスマートフォンで話を聞いた。
「性格はどんな子が来るの?」
「いい奴ばかりだよ」
 成海はこうかな恵に答えた。
「俺がずっと知ってる連中で」
「それでなの」
「かな恵達は知らない奴等かも知れないけれど」
 それでもというのだ。
「俺も性格悪い奴連れて行きたくないしさ」
「そういう人は選ばなかったの」
「最初から話をしないで」
 そうしてというのだ。
「そうしたさ」
「いい子ばかり選んだの」
「そうしたよ」
 実際にというのだ。 
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