| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九話 合コンの前にその五

「わからないわ」
「やっぱりあれでしょ」
 富美子は強い声で言い切った。
「中学の時に学校の課外教育で自衛隊や警察に行ったけれど」
「自衛官や警察官の人達の方が恰好いいわよね」
「そうよね」
「私特に消防署の人達が恰好いいと思ったけれど」
「ヤクザ屋さんよりずっとね」
「あの人達が入れ墨を入れてるなんてね」
 そうしたことはというのだ。
「ないわよね」
「絶対にないわよ」
 富美子ははっきりと言い切った。
「それは」
「そうよね」
「公務員だしね」
 消防署員はというのだ。
「尚更ね」
「それはないわね」
「私としては自衛官の人達が一番恰好いいと思ったけれど」
 富美子は自分が感じたことも話した。
「あの人達もよ」
「入れ墨なんてね」
「絶対に入れないわよね」
「そうよね」
「昔の軍隊かららしいけれど」
 自衛隊だけでなくというのだ。
「ああいう人達の方が遥かに恰好いいけれど」
「入れ墨なんて入れてないし」
「もうそれでいいでしょ」
「入れ墨いらないわね」
「アウトローよりもね」
「真面目よね」
「その方がいいわよ、真面目でしっかりしている」
 それこそがというのだ。
「一番恰好いいわよ」
「自衛隊の制服滅茶苦茶格好いいじゃない」
 一華は目を輝かせて言い切った。
「特に海の人達の」
「海上自衛隊ね」
「あの黒と金色の」
「あれ最高よね」
「それと白の詰襟」
 一華は海上自衛隊の夏の礼装の制服の話もした。
「あれなんかね」
「何か洗濯大変そうだけれど」
「決まり過ぎよ」
「うちの学校の制服でもあるしね」
「どちらもね」 
 八条学園の男子の制服にあるのだ、黒と金のものは袖の部分に太いモールが二本の一等海尉のもので白の詰襟には肩章がない。
「いいわよね」
「着てる子うちのクラスでもいるしね」
「どっちもね」
「全うな生き方してたら」
 富美子はここで言った。
「お顔もね」
「人相がね」
「よくなるわね、じゃあ合コンでも」
「そうしたお顔見ないとね」
「駄目ね、まあ成海君の友達だし」
 彼の紹介でというのだ。
「多少茶髪でもね」
「真面目よね」
「そうよね」
「みたいよ」
 その成海と付き合っているかな恵の言葉だ。
「人間はね」
「成海っちも真面目だしね」
「茶髪はもうファッションだし」
「昔は不良って思われたけれどね」
 それでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧