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麗しのヴァンパイア

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第四百十三話

              第四百十三話  メロンを食べて
 博士はデザートのメロンを食べつつ小田切君に言った、見ればメロンの種を取った部分にバニラのアイスクリームがある。
「どこでもホールでじゃ」
「それを使ってですね」
「一瞬でヨハネスブルグに行ってな」
 そうしてというのだ。
「適当なチンピラを五人程をな」
「殺すんですね」
「わしに絡んできたならじゃ」
 それならというのだ。
「もうそこでな」
「電気鞭で、ですね」
「一撃じゃ」
「あの鞭なら五人殺すなんて訳ないですね」
「一瞬じゃ、どんな国でもまともなら人を五人殺すと死刑じゃな」
「絶対にそうですね」
 小田切君は即答で答えた。
「法治国家なら」
「ハンムラビ王に言われたことがある」 
 ハンムラビ法典で有名なこの王にというのだ。
「ならず者でも勝手に殺すとじゃ」
「犯罪ですよ」
「それで死刑にすると言われた」
「まあ当然ですね」
 小田切君もそれはと答えた。
「博士始皇帝にもナポレオンにも言われたんですよね」
「ジョージ=ワシントンにもビクトリア女王にも言われたぞ」
「世界中で言われたんですね」
「インカ皇帝にも言われたしユリウス=カエサルにもじゃ」
「世界史的ですね、もう」
「源頼朝に言われて腹が立って奴の目の前にビームを放ってやった」 
 そうしたこともしたというのだ。
「あの男は無性に腹が立った」
「日本史上屈指の不人気人物ですしね」
「うむ、いけ好かぬ奴であった」
「それで博士死刑判決無数に受けてるんですね」
「何万とな」
「それだけ殺したら当然ですよ」
「だがわしに法律は通じん」 
 博士は言い切った。
「だからな」
「これからもですね」
「五人程殺してくる」
「じゃあそういうことで」
「行って来る」
 メロンを食べつつ言った、そして。
 メロンを食べ終えてワインの最後の一杯を飲んでだった、博士は小田切君に対してあらためて告げた。
「ではな」
「行ってらっしゃい」
 博士は道具を出した、そうしてそれでヨハネスブルグまで行ってそのうえで獲物を求めるのであった。


第四百十三話   完


                    2021・10・21 
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