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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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人造人間編
  第16話

 
前書き
鳥山先生ありがとう… 

 
フリーザとの闘いから1年の時が過ぎた。

悟林は超サイヤ人になるために激しい修行をしていた。

実力はまだまだフリーザと闘った時の父やベジータには及ばないものの、大きくパワーアップしていた。

しかし、ここである問題にぶち当たる。

「超サイヤ人ってどうやってなるんだろ?」

闇雲に修行してもなれないのは何となく理解出来る。

悩む悟林だが、あることを考え付いた。

「困った時のドラゴンボールだ!」

早速西の都に行き、女の子に鼻の下を伸ばしていたヤムチャをしばいていたブルマからドラゴンレーダーを借りるとドラゴンボールを集めて早速神龍を呼び出した。

「出でよ神龍!」

「さあ、願いを言え。どんな願いも1つだけ叶えてやろう」

神龍を呼び出し、呼び出した神龍から願いを言うように促される。

因みに呼び出した時間帯は夜なので変化は少ない。

「えーっと、超サイヤ人ってどうやってなるの?」

悟林が願いとして尋ねると、神龍は知っている知識だったのか難なく答えた。

「容易い願いだ。超サイヤ人とは高い戦闘力と穏やかな精神を持ち、“S細胞”と呼ばれる細胞を多く持つサイヤ人が怒りなどの感情でS細胞を急激に増やすことで変身する。」

「え?怒り?超サイヤ人に変身するにはいちいち怒らないといけないの?」

「いや、その怒りなどの感情によるS細胞への刺激を擬似的に再現することが可能だ。サイヤ人は怒ると背…肩甲骨辺りに気を無意識に集中させる習性がある。そこが最もS細胞が集中している箇所なのだ。そこに気を集中させ、爆発させることで超サイヤ人への変身が可能となるだろう。尤もそなたはS細胞の方はともかく戦闘力は…」

「まだ足りないかもしれないの?そうだよね…あんなに強くなったお父さんでも苦労したんだから。まあいいや、ありがとう神龍!」

「ではさらばだ!」

それだけ言うと神龍は消え、ドラゴンボールは各地へと散った。

「よーし!頑張るぞ!肩甲骨辺りに気を集中させて…はあああ…!」

肩甲骨辺りに気を集中させるとぞわぞわした感覚が襲う。

体を纏うオーラが金色へと変わり、目付きも鋭い物へと変化していくがそれだけだった。

気の消費が凄まじく、悟林は膝を着いた。

「くっ…!はあ…はあ…」

その後何度も練習を繰り返すが、戦闘力が足りないのか後一歩のところで解けてしまう。

「後少し…なんだけどなぁ…戦闘力が足りないなら修行して……ん?」

あることを思い付いた悟林は界王拳を発動した。

修行と成長で使えるようになった最大の5倍を維持しながら肩甲骨辺りに界王拳で高まった気を集中させる。

赤いオーラに金色が混じり、瞳の色も碧色に、髪も金色へと変化していく。

「だあああああっ!!!」

集中させた気を爆発させる直前に界王拳を解除すると、ナメック星で見た悟空と同じ状態となったが…すぐに解除されてしまう。

「…は…はは…」

悟林は一瞬とは言え超サイヤ人となり、5倍界王拳と比べても凄まじいパワーに興奮した。

そして新たに決意する。

この力を使いこなしてやると、満足そうに家に帰るとチチからのお説教が待っていたのは言うまでもない。

そして数日後、悟林は界王拳を経由した超サイヤ人…超化に慣れてきた頃である。

そろそろ仲間達に見せてびっくりさせてやろうと悪巧みを考えた時であった。

フリーザの気とそれに近い気を感じた。

ただ事ではないと判断した悟林は修行場にしていた荒野から飛び立った。

一番大きいベジータの気もあったのですぐに場所が分かり、悟林も到着した。

「お待たせー」

「やっほー悟林ちゃん」

「あれ?何でブルマさんがいるの?ヤムチャさん、デート場所にしたってこれはないよ」

「そんなわけないだろ!ブルマが勝手に来たんだ。」

「あ、そうなの?」

「そうなんだよ、何せブルマは地球一の野次馬でその上じゃじゃ馬なんだ…痛ててて!」

ブルマに耳を引っ張られて痛がるヤムチャをスルーしてフリーザ達が来るまで待つ。

「来たぞ!」

ピッコロが叫んだ直後にフリーザの宇宙船が現れ、少し離れた場所に着地した。

「あっちに降りたよ!」

「ま…間違いないフリーザだ!い…生きていた…」

「や…やっぱりフリーザの他にもう1人いやがる…!」

「いいか貴様ら、飛ぶんじゃないぞ!スカウターで探られんように歩いて近付くんだ!」

ナメック星でフリーザと闘った面子は即座にフリーザの存在を確信する。

そして宇宙船へと近付こうとする者達にヤムチャは声をかけた。

「ま…待てよ…フ…フリーザ…ってのは、あ…あんなにとんでもない…ば…馬鹿でかい気なのか…?」

「あれはまだ序の口だね…本気を出したあいつはあんなもんじゃないよ!」

「まあ、フリーザを見たことがない貴様らには想像も出来まい」

フルパワー状態を見たことのある悟林とベジータは脳裏にその姿が過ぎった。

「あれで序の口…お前達はそんな奴と闘っていたのか…?」

今でさえ天津飯はフリーザの気に戦意を喪失しそうなのにそれが序の口レベルだと言われると唖然となる。

「じょ…冗談じゃないぜ…ち、近付いて行ってどうしようってんだ…!し、信じられんような化け物じゃないか。そ…そいつが2人もいるんだぞ!ど…どうしようもないじゃないか…!」

「だったらどうする…ここで腐ってるか?好きにしろ…どうしようもないのはみんな知ってるんだ」

かなりショックを受けているヤムチャの言葉にピッコロがそう言うとベジータがとどめを刺した。

「はっきり言ってやろうか?これで地球は終わりだ」

「………終わりになんてさせないよ。はああ!!」

そんな絶望的な雰囲気に希望の光が差した。

悟林がほんの少しだけ超化すると、全員が驚愕する。

「お、お姉ちゃん?」

「そ、それ…超サイヤ人じゃないか…悟林ちゃん、いつの間に」

「お父さんの超サイヤ人を見てね、私も超サイヤ人になれるように修行したの。なるのに界王拳を使わないといけないのが恥ずかしいけど…1人だけなら何とかなると思う。でも2人を同時に相手にするのはきついからみんなが1人を抑えてくれれば何とかなると思うんだ」

ベジータからの視線がきついが、クリリン達はこれなら何とかなるんじゃないかと思い始めた。

「そ、そうか…悟林ちゃんが超サイヤ人になれたなら何とかなるかもしれないぞ!」

あのナメック星で見た超化した悟空に匹敵する気をクリリンは感じるのだ。

これなら生き残れるかもしれない。

悟林は深呼吸して前進した。

フリーザに殺されたために正直恐怖を感じるが、逃げるのは性に合わない。

途中でフリーザとは全く違う大きな気を感知し、悟林は歩くのを止めて飛び立った。

そこには斬り捨てられたフリーザの部下達と、紫色の髪の青年がいた。

「ほう、誰かと思えばナメック星にいたチビじゃないか。せっかくドラゴンボールで生き返ったのにまた死にに来たのかい?」

「お前…お父さんが倒したはずなのに…」

「フリーザは儂が救出した。そしてサイボーグにしたのだ」

「それが何を意味するのか分かるかい?君を殺した相手が更にパワーアップしてしまったんだよ」

それを聞いた悟林は一瞬体が震えたが、笑みを浮かべた。

「私だってあの時のままじゃないんだ!界王拳!」

界王拳を経由して超化するとフリーザの目が驚愕で見開かれた。

「超サイヤ人…!?」

「これが超サイヤ人か…!?」

悟林の超化を見てフリーザは忌々しそうに表情を歪めるがニヤリと笑う。

「だけど、君だけで僕とパパを同時に相手をすることなんて出来るかな?」

それを言われた悟林は表情を険しくする。

隣の青年は逃がさなくては。

「お兄さん、ここは危ないから逃げて」

「大丈夫です、悟林さん。俺もあなたと同じです。一緒に闘わせて下さい」

初めて会う青年が自分の名前を知っていることに悟林は目を見開いた。

それに青年は少しばかり寂しげに微笑むとフリーザ達を睨んだ。

「中途半端な力を身につけた者は却って早死にするよ。そいつを教えてあげようか?」

「お前達は俺達には勝てない…分かっているんだ。」

「“分かっている”?ほっほっほ…そいつはユニークな表現だね」

「初めから全力で掛かってくるんだな、俺は孫悟空さんのように甘くはない…」

「ソンゴクウ?…そいつは確かあの超サイヤ人の名だ。なるほど、貴様もあいつの仲間か…」

青年が悟空の名前を知っていたことでフリーザは青年を悟空の仲間の1人だと判断したようだ。

「…お父さんからお兄さんのこと聞いたことないけど…」

悟空から隣の青年のような仲間がいるのならもっと早くに知っているが…。

「会ったことはないんです。孫悟空さんのことは話から聞いた程度で……悟林さん、まずはフリーザとフリーザの父親を倒しましょう。」

「え…でも、危ないよお兄さん!」

確かに青年からは強い気を感じるが、フリーザ達には遠く及ばない。

悟林は慌てて止めようとするが青年は微笑む。

「大丈夫です…超サイヤ人になれるのは悟林さんや孫悟空さんだけじゃない…俺もなれるんですよ」

「え!?」

「「何!?」」

「はああっ!!」

青年の言葉に誰もが驚愕し、青年は気合を入れて悟林同様に超化した。

「超サイヤ人に…!」

ナメック星で超化した悟空以上の気に悟林は驚愕する。

「くたばれ!!」

超化し、体に気を入れた青年の言葉にハッとなった悟林も体に気を入れた。

「くたばるのは…貴様らの方だ!!」

フリーザが青年と悟林に気功波を放つ。

2人はそれをかわすと技の体勢に入った。

魔閃光を撃とうとした悟林だが、隣の青年の構えに驚く。 

「お兄さん…それ…」

「後で説明します。それより早く!」

「う、うん!」

「「魔閃光ーーーっ!!」」

悟林と青年が同時に魔閃光を放ち、フリーザ達が上空に逃げたところを青年は剣を抜き、悟林は額に指先を当てた。

青年がフリーザを真っ二つにし、フリーザの父親が動揺したところを界王拳の訓練と、超化の練習のおかげで気のコントロール技術が飛躍的に上がったために短時間で最大威力になった魔貫光殺砲でフリーザの父親の心臓を貫いた。

青年は真っ二つにしたフリーザを細切れにし、悟林はナメック星でやられた仕返しとばかりにフリーザだった物にかめはめ波を当てて消滅させた。

「お見事です悟林さん」

「うん…ねえ、お兄さん…どうして私のことを知ってるの?どうして魔閃光を使えるの?あれはピッコロさんが教えてくれた技なのに…」

「孫悟空さんが来たら悟林さんに全てお話します…それまで待ってくれませんか?」

「本当に?」

「約束します。どうして俺が超サイヤ人になれるのか、そして魔閃光を撃てる理由も」

青年の目を見て嘘偽りがないことを感じて悟林は青年を信じることにした。

「分かった、約束だよ。」

「はい、フリーザの父親の死体を始末しないと…死体を利用されないとも限りませんし、悟林さんは宇宙船を」

2人は気功波を放ってフリーザの父親の死体と宇宙船を処分した。

「これでいいの?」

「はい」

2人は超化を解くと一息吐いてこちらにやってきたベジータ達に振り返る。

「あ、みんな」

「これから孫悟空さんを出迎えに行きます!一緒に行きませんかーーー!!」

青年の言葉にベジータ達が驚いている。

「お父さんの場所ってどこなの?」

「そこまで案内します。このすぐ近くですから俺についてきて下さいー!」

青年が飛び立ったのを見て悟林も慌てて追い掛けた。

後ろの仲間の気を感じながら。 
 

 
後書き
未来トランクス登場。

超サイヤ人ゴッドのことを知っていたんだから下位変身のことも知ってるよね神龍?

この作品では足りない戦闘力を界王拳で補いながら強引に変身しています。 
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