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世界への想い

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第一章

                世界への想い
 神々はその巨大な母であり竜に姿を変えて自分達に向かってきたティアマトを倒し彼の身体から世界を創り上げた。
 天も地も川も木々も創り人や生きものもそうした、そして。
 そこから世界のあらゆるものを創り上げた、それが終わってからそれぞれの司るものを以て世界を治めていった。
 その中である従者が日々働く神々を見て神々の指導者であり太陽と呪術を司るマルドゥクに対して問うた。
「神々の方々は大変ではないですか?」
「何がだ?」
 マルドゥクは従者に問い返した、四つの目と耳を持つ背の高い神である、整えた長い髭も見事なものだ。
「一体」
「ですから日々働いておられ」
「だからか」
「休むこともなくそうされて」
 それでというのだ。
「大変ではないですか」
「そう思う神なぞいない」 
 マルドゥクは従者に笑って答えた。
「一切な」
「それは何故ですか?」
「愛しているからだ」
 それ故にというのだ。
「我等はな」
「愛しているといいますと」
「この世界の全てをだ」
「この世界のですか」
「そうだ、全てをだ」
 こう従者に言うのだった。
「愛しているからな」
「それ故にですか」
「日々己が司るものの為に全てを捧げてもな」
 そうしていてもというのだ。
「全くだ」
「大変とはですか」
「思わない」 
 従者に威厳のある笑顔で答えた。
「何一つな、むしろな」
「むしろといいますと」
「少しでも怠れないとまでだ」
 それぞれが司るものに対して働くことに対してというのだ。
「そうもな」
「思われていますか」
「この世界の為に」
 愛しているこの世界の為にというのだ。
「その様にな」
「ではマルドゥク様も」
「当然だ、まして私は神々の王だ」
 その立場だからだというのだ。
「尚更だ、この世界は私が創ったな」
「はい」
 従者もその通りだと答えた。 
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