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ハッピークローバー

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第八話 悪い男の見分け方その三

「陸か海にいたのをね」
「移住したのね」
「それがあそこのイグアナなの」
「そうだったのね」
「それが人間にも言えてね」
 妹にビールを飲みながら話した。
「南アフリカから出て来てね」
「移住していったのね」
「それで食べものもね」
 これもというのだ。
「変わっていったのよ」
「そうなのね」
「麦やお米を食べていても」
「あぶれる人が出て来て」
「その人達は他のもの食べたのよ、それぞれの移住先にあるものもね」
「食べたのね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「彼氏もそうよ」
「商業科の子がいなくなったら」
「他に求めるってことよ」
「そういうことね」
「それであんた達もね」
「工業科の子達と合コンすることは」
「当然の流れよ」
 まさにというのだ。
「私達の頃からある」
「流れなのね」
「そうなの、じゃあね」
 ビールを飲みながらさらに話した。
「頑張ってね、そしてね」
「彼氏ゲットね」
「そのうえでね」
 交際相手を見付けてというのだ。
「続けていってね」
「交際を」
「そう、彼氏ゲット出来てもね」
 それが適ってもというのだ。
「終わりじゃないのよ」
「そうね」
 言われてだ、富美子も頷いた。何時しか視線はスマートフォンの画面から外れて姉のその顔を見ている。
「言われてみれば」
「そう、だからね」
「それでなのね」
「もうね」
「ゲットで喜ばないで」
「問題はむしろ」
「そこからよ」
 交際が適ってからというのだ。
「その人とずっと仲良くやってく」
「それが大事なのね」
「付き合ってすぐに別れるとかもあるでしょ」
「そうしたお話もあるわね」
「惚れた晴れたも常だけれどね」
 それでもというのだ。
「やっぱり折角付き合えたらね」
「ずっとなのね」
「相手にもよるけれど」
「続けばいいのね」
「それが第一でしょ」
 何といっても、そうした口調での言葉だった。
「だからね」
「むしろそれからが問題なのね」
「なることが大事じゃなくてね」
「なってからね」
「それからがね」
 まさにというのだ。
「大事なのよ」
「そういうことね」
「だからいいわね」
「彼氏ゲットが目的じゃなくて」
「むしろそこからがよ」
「大事で」
「目的よ、恋愛は実現がハッピーエンドじゃなくて」
 相手が出来てというのだ。 
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