| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百二十四話 優しい好感その九

「術にです」
「神具を使われますね」
「その瑠璃瓶を」
「そうされますね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「兵もです」
「そのままですね」
「正面から向かい」
「突撃を仕掛けますね」
「そうします、敵味方の質は同じ程度ですが」
 それでもというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「装備が違います」
「銅の剣に皮の鎧や盾、兜ですが」
「敵の装備はそうですが」
「我々は鉄の剣や槍です」
「防具も全てそうです」
 ここでも防具の話をするのだった。
「しかも小手や脛当てまでしてです」
「非常に堅固で」
「全員鉄砲も持っています」
「多くの大砲もあります」
「その全てを使い」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「戦いますね」
「そうしますね」
「そしてそのうえで」
「敵に勝ちますね」
「そうしますね」
「これより」
 こう言ってだった。
 陳は自ら先頭に立った、そうして敵軍が来るとまずは砲撃を行いそれで多くの兵を吹き飛ばしてだった。
 鉄砲を撃たせた、その時に。
 彼は瑠璃瓶を構えて敵軍を撃った、すると。
 敵兵が大砲のそれよりも遥かに多く吹き飛ばされた、そして。
 二度三度と撃つと敵軍が総崩れになった、ここでだった。
 彼はここでだ、全軍に言った。
「ではです」
「はい、これよりですね」
「突撃ですね」
「全軍を以てですね」
「そうしますね」
「そうします」
 総崩れになった敵軍にだった。
 全軍で突撃を命じた、そうして。
 鉄の装備の強さを見せつけた、敵は最早組織立って戦うことは出来ず。
 それでだ、彼等は算を乱して逃げ去った。戦は陳の勢力の勝利となり。
 敵はこれを受けて降伏した、こうして陳は黒竜江省において揺るぎない勢力となった。そうしてであった。
 ここでだ、彼は言った。
「ではです」
「それではですね」
「手に入れた領土もですね」
「治めていきますね」
「街も村も」
「そして市長さん達もそのままで」
 役職は留任とするというのだ。
「相手の棟梁の人も」
「用いますか」
「そうされますか」
「はい、見れば民と勢力の為に真面目に働いている人なので」
 それ故にというのだ。
「そうします」
「処罰はしないですね」
「そうしたことは」
「罪を犯していないのに何故処罰する必要がありますか」
 陳は逆に問うた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧