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オズのラゲドー氏

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第十幕その六

「色々あるしな」
「しらすとかコハダとか秋刀魚もね」
「そうだよ、貝類だって」
「鳥貝とか赤貝とかな」
「ないからね」
「言われてみるとおいらはな」 
 本当にと言うチェシャ猫でした。
「イギリスからな」
「離れたわね」
「ああ、オズの国に入って」
 そうしてというのです。
「楽しく暮らしてるな」
「そうね」
「しかしな」
「しかし?」
「日本人って何でも生で食うよな」
「そうした傾向あるわね」
「そうだよな」
 このことを言うのでした。
「お寿司にしろそうでな」
「お刺身だってね」
「日系人いるけれどな、オズの国にも」
「その人達はね」
「お魚好きでな」
「生で食べたがるわね」
「驚いたのはピラルクもだよ」
 この巨大なお魚もというのです。
「生でってな」
「あれはね」
「驚いたぜ」
「川魚を生で食べることは外の世界では危ないよ」
 神宝が言いました。
「それもかなりね」
「よく火を通して食べないとね」 
 ジョージも言います。
「川魚は」
「昔は冷凍技術もなかったしね」
 カルロスはこのことから言いました。
「外の世界では海沿いでもないと生ものは危なかったね」
「それもうんと新鮮でないと」
 恵梨香も言いました。
「危なかったのよね」
「だからお寿司も」
 ナターシャはこちらのお話をしました。
「海沿いでないと私達が言うお寿司は食べられなかったのよね」
「そりゃ困るな。おいらの大好物なのに」 
 チェシャ猫はこう言いました。
「それが海から離れてると食えねえなんてな」
「今は違うしオズの国は元だからから安心してね」
 トロットはチェシャ猫に答えました。
「今はね」
「ああ、それじゃあな」
「そういうことでね」
「これからもお寿司楽しませてもらうぜ」
「そうしてね」
「是非な、それとな」
 チェシャ猫はさらに言いました。
「ここにはもう一羽皆知ってる奴がいるぜ」
「アリスさんのお話の?」
「ああ、今じゃおいらの友達だぜ」
 ナターシャに答えました。
「そいつとも宜しくな」
「君は今一羽と言ったね」
 カエルマンはこのことに注目しました。
「そうだね」
「それで誰かわかるかい?」
「アリス嬢の世界で鳥となると」
 それならというのです。
「限られるね」
「察しがいいな、あんた」
「二冊とも読んだしね」
 カエルマンは笑顔で答えました。 
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