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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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14-⑷

 フェアが始まった日、朝早くから、清音がやってきて「着替えさしてね」と、言って出てきたのは、サンタの衣装で短いスカートだった。

「清音 そんなで、外にいると寒いでしょ 風ひくよ」

「大丈夫 毛糸のパンツ穿いているから」と、スカートを巻くって見せていた。そして、表で石油缶に火をおこしていたのだ。そのうち、パン屋さんが机を運んできて、設営していた。

 10時前に明璃ちゃんもやってきて、清音と同じ格好で着替えてきた。

「明璃ちゃん 寒くない? そんなで・・」

「うん 大丈夫 可愛い?」

「可愛いけどね やっぱり 毛糸のパンツ?」って聞くと

「やだー そんなのダサイよー トラのシマシマだよ」と・・

 私は、こんなの着るはめになっていたのかと思うと、ほっとしていたのだ。だけど、それを進んでやってくれている明璃ちゃんに感謝していた。

 10時頃になって、お店にもお客様が入るようになってきたけど、表の方が人が集まっていた。私が予想していたよりも、評判が良かったみたいだった。清音もサンタ衣装のまま、呼び込みをしたりして、小さな子供さんに何かを配ったりしていた。

「店長 清音 張り切っているね ウチも頑張るよ」と、明璃ちゃんも気合を入れていた。子供さんには、お菓子を2ツ入れたものを配る予定だ。お店の裏では、武君と佳乃ちゃんが、今は、スペアリブを焼き始めていて、その匂いが漂い始めていた。それにつられてか、ようやく、お店の方にも客足が向き始めていたのだ。

 舞依ちゃんは、今年の目玉のミートローフを勧めていて、あちこちで歓声があがり始めていたのだ。お昼の間は、年配の方が多く、ステーキの方はあまり出なくて、スペアリブも売れ行きはもうひとつ良くなかった。だけど、私は、夜になれば、若い方も増えて来るし、心配はしてなかった。

 表の方は、野菜が午後の2時までには、無くなってしまって、パン屋さんもお煎餅屋さんも残り少なかった。3時までなんだけど、それまで持たない様子だった。

「お姉様 野菜売り切りました あと2日分 あるかなー こんなに、順調にいくって思ってなかったから・・」と、清音が機嫌良く報告してきた。

「良かったわね 清音 頑張ったから・・ でも、寒かったんじゃぁ無いのー」

「うん 最初はね でも、お客さんが来出したら、忘れちゃった 夜は、こっち手伝うね」

「清音 ちょっと 相談 こっち来て」と、明璃ちゃんが呼び寄せていた。又、ふたりで何か企んでいるんだろうと、私は、スペアリブの味を確かめていた。
 
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